今月はいつもどおり街ネタ2つです。生活に取り入れたり、仕事で生かすなどしていただけると本望です。
◎顔を見れば
一億人以上の顔分析データをベースに、人の性格や行動パターンを研究している学問に「相貌(そうぼう)心理学」があります。その精度は高く、フランスではビジネスや教育の場面でも活用されています。
「相貌心理学」では、人の顔の骨格や表情筋のつき方などの客観的な特徴から、個人の変わらない本質的な部分と、変わりうる部分とを総合的に判断し、相手の思考や行動パターンを想定していきます。
顔は人間の内面の変化を敏感に映し出します。日本では昔から「顔色をうかがう」「顔が広い」「合わせる顔がない」など、人の気持ちやコミュニケーションの状態を、「顔」という言葉を使用して表わしてきました。
親や祖先と自分の顔は不思議と似ています。顔には遺伝的要素も含まれますが、そこには自分では気づいていない情報が、隠れているのかもしれません。
毎朝、鏡に映る自分の顔をよく観察してみましょう。親や祖先から受け継いだ顔に親しみを持ち、朗らかな心持ちで仕事や生活をしていきたいものです。
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<コメント>
「相貌心理学」とは初めて聞きました。
『男の顔は履歴書』という表現がかつてありました。令和の現代では(いやもっと前から)、男女問わず、大人の顔は履歴書ではないでしょうか。これまでどういう人生を歩んできたか、やはり顔に出ますものね。
『40歳を過ぎたら自分の顔に責任を持て』というのはアメリカの第16代大統領リンカーンの言葉です。
どういう人間になりたいか、という心の向け方とそれに伴う長年の習慣が自分の顔をつくっていくわけです。
その時々の内面の変化が顔に表れるというのは誰もが意識していることでしょう。私自身、意図的に隠す場合もあるし、オープンに表現していく場面もあります。
コロナのおかげでオンラインセミナーが増え、聴講者の顔の表情が手に取るようにわかるようになりました。
常に笑顔で講話者が話しやすい雰囲気をつくっている人、大きなうなずきで共感を示す人、こういう人を見ていると、もっともっとオープンに表現していこう、と思うこの頃です。
◎苦い薬ほどよく効く
念願が叶い出版社に入社したTさんは、初仕事となるインタビュー記事の製作を上司から指示されました。勇んで仕事に取り組み、書き上げた原稿を確認してから、《よく書けている!》と意気揚々と提出したのです。
ところが、しばらくして上司から呼ばれ、返された原稿を見て唖然としました。そこには、文章を修正した赤い文字がたくさん記入されていたのです。
元の文章が見る影もないほど真っ赤になった原稿を目にしながら、心は悔しさで溢れ、涙も出そうになりました。
しかし、机に戻ってから改めて読んでみると、直された文章のほうが、確かに読みやすいことに気づいたのです。
その出来事がきっかけで、Tさんは上司が書いた文章をお手本にして努力をし続け、やがて執筆力をアップさせていったのです。
「良薬は口に苦し」という諺がありますが、自分に対する指摘が厳しいものであったとしても、前向きな態度で学べば、自己の能力を向上させることにつながります。
困難な状況に直面しても、素直な気持ちで学ぶ姿勢を持ちたいものです。世の中には自分にない能力や考え方を持っている人が多くいます。人から学ぶ姿勢を忘れず、日々の仕事に取り組んでいきましょう。
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<コメント>
Tさんは出版社に入社するくらいですから、文章力にはある程度自信があったことでしょう。赤ペンだらけの原稿が返された時のショックは容易に想像できます。
似たようなケースは、日常茶飯事と言えましょう。
瞬間的にムッと来たとして、その後、それを素直にとらえ直すかどうかで、結果が大きく違ってきますね。
本当は、目の前に現れる人は、何かを気づかせてくれる先生なのかもしれません。
それがたとえ小さい子どもや、普段あまりいい印象を持ってない人だとしても。
言い方が気に食わない、目つきがイヤミったらしいなど、私もまだまだ卒業してない分野ですが(笑)、問題は相手の側にあるのではなく、自分の心なのだ!と肝に銘じましょう。