今月も、「まちネタ」(街で見つけたコラムに潜むコミュニケーションのネタ)をお楽しみください。
◎即座の対応
数年前、「お客様からの依頼への対応が遅い」というクレームを受けたAさん。以来、どんな小さな仕事でも、心を込めて向き合ってきました。
ある日、Aさんのもとに、思いがけない礼状が届きました。それは半月ほど前に訪問した会社のお客様からでした。
その会社を訪問した際、Aさんは、通常の取引とは別に、ちょっとした要望を受けたのです。
それを忘れないようにメモを取り、翌日に具体的な回答をしました。礼状には、その一連の対応への感謝が綴(つづ)られていました。
Aさんにとっては、覚えがないほど小さな事柄でしたが、お客様からの礼状を読み、些細(ささい)な対応でも心を込めること、何より、迅速に行うことが大切なのだと身に染みて感じたのです。
礼状を通じて、これまで実行してきたことが身についてきていることを実感したAさん。
ビジネスの世界において、仕事の大小に関わらず、スピーディな対応は必須です。
迅速(じんそく)かつ丁寧(ていねい)に、お客様からの要望に応えたいものです。
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<コメント>
私も20代の頃、お客様にクレームをいただき、同じように取り組んできました。
それにしてもこのお客様、すばらしいですね!わざわざ礼状まで送ってくださるとは!
あの会社のあの人は対応がいいなあ、と社内で話題にはしても、手間暇かけて礼状まではなかなか…。
こういう方は、きっと社内でも部下を励まし、その育成に力を注いでいらっしゃることでしょう。
このハモコミ通信に対しても、励ましの言葉をメールしてくださる方がけっこういらっしゃいます。本当にありがたいことで、感謝感謝です。
中でもSさんとEさんは毎回です。もう何度送ってくださったことでしょう! 本当にありがとうございます。この場をお借りして改めて御礼申し上げます。
◎サービスの心得
Aさんは、1年半の単身赴任を終え、久しぶりに馴染みの美容室に髪を切りに行きました。
担当の美容師とは10年近くの付き合いです。好みの髪型はもちろん、髪の毛のクセまでも熟知しています。
単身赴任先の美容室では会話をすることがなく、髪型についての相談もできなかったため、Aさんはどこか物足りなさを感じていました。
馴染みの美容室では、席に着くとすぐに「久しぶりですね」「いつもと同じ髪型ですか?」「相変わらず髪の量が多いから軽くしておきますね」と声をかけられ、1年半という時を感じさせない接客に感動し、心まで癒され帰宅したのです。
Aさんは 《技術の良さはもちろん、いつも心のこもったサービスを提供してくれる。これからもあの人に切ってもらおう》 と改めて思いました。
「美容室は技術に加え、人に客がつく仕事だ」と言われることもあります。
美容業に限らず、「〇〇さんだったら信頼できる」という対人関係が築けるようなサービスの提供を追求していきたいものです。
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<コメント>
こういう心のやりとりはAI時代となっても変わらないでしょう。
AIの顔認識技術で、お客様の来店履歴を瞬時に把握伝達するシステムは構築できるとしても、心が通じ合うサービス提供ができるわけではありませんから。
お付き合いの年数もさることながら、まずはこちらのお客様に向き合う姿勢こそが大切ですね。
相手のことを良く知り、その要望に沿うよう努めてきた歴史が信頼関係を深いものにしていくわけですよね。
「さすが、わかってくれている」っていう安心感を持っていただけるよう、原点に返って努めてまいります。