ハモコミ通信2018年2月号

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今月も、「まちネタ」(街で見つけたコラムに潜むコミュニケーションのネタ)をお楽しみください。


 

◎心遣いのメニュー

 飲食店において、お客様への丁寧な対応を心がけているお店は多いでしょう。ただし、混雑時になると、行き届いたサービスをするのは難しいものです。

 ある居酒屋の話です。週末、いつになくお店が大混雑したことがありました。開店早々から座席が埋まり、スタッフも目が回るほどの忙しさでした。

 そのうちに、お客様から「頼んだ料理が出てこない」といった不満も聞こえ始め、スタッフの心が折れそうになった時でした。

 店長が、事前に用意しておいた一品料理を配るよう、スタッフに伝えたのです。混雑した時のために、出身地の郷土料理を作り置きしておいたものでした。

 「お待たせしております。どうぞこちらをお召し上がりください」と各テーブルに料理を提供すると、不機嫌だったお客様の表情が一変したのです。

 この一品のお陰で、スタッフも落ち着きを取り戻しました。「普段味わえない料理を食べることができ、感激しました」と、お客様も笑顔でお店を後にしたのでした。事前の準備が功を奏したのです。

 

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<コメント>

 想定される案件に対し、何の対策もなされないことは案外多いことかもしれません。理由は、リーダーシップの不在、過少な評価、能力不足などなど。いい答えを出せずとも、それが問題である、という共通認識を確かめ合い、課題解決に向けてにじり寄る努力は最低限必要ですね。

 このコラムの事例では、店長の出身地の珍しい郷土料理ということで、レア感のある「予測を上回る対応」が喜ばれました。しかし、もうこれでよし、ということではないはず。常に創意工夫を繰り返していかなければなりませんね。自分の仕事に置き換えて、事前準備にあれこれ思いを巡らせたいですね。

 いわゆる「飴ちゃん」をポケットにしのばせる関西のおばちゃんも、小さい子どもにはミルクやフルーツ味、大人にはコーヒーや黒糖味など、出会う人の様子によって使い分けているとのこと。ちなみに東京のおばちゃんの「飴ちゃん携行率」は9%だったのに対し、大阪では84%だったという調査もあるようです。

 さすが、大阪のおばちゃん!

 


 

◎カナダのグレンさんの話

 ある男の人が生きる希望を失い、死を決意しました。

 今生の別れに大好きなドーナツとコーヒーを飲もうと思い、ドライブスルーで注文しました。

 代金を払おうとすると、「お支払いは済んでいます」と言われました。おかしいな、と思って尋ねると、「前のお客さまが払ってくれた」というのです。「今日も良い1日を!」というメッセージと共に。

 まさに死のうと思ったその日にこんなことがあるなんて! と驚いたその男の人は、「これは何か意味があることかもしれない。神様の仕業かな? やっぱり生きていこう! これからは人のためになることをして生きていこう!」と決意しました。そしてこの日の出来事を新聞に投稿しました。

 投稿を目にしてビックリしたのはグレンさん。グレンさんは、ドライブスルーの会計時は、「次の人の会計も一緒にお願いします。『今日も良い1日を!』と言い添えてくださいね」ということを習慣にしてきたそうです。

 「『ちょっといい気分を味わってほしい』という何気ない習慣がまさか人の命を救っていたなんて!」と驚いたグレンさん。

 その習慣を知った彼の友達の中にはマネをする人が次々出てきて、更に心温かい輪が広がったのでした。

 

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<コメント>

 休日に掃除をしながらFMを聞いていたら耳に飛び込んできたお話。細部の記憶は怪しいところですが(笑)。

 グレンさんのこの習慣、すごいですね。まったく見ず知らずの人の会計を、何の見返りもなく、名前も告げずに済ませてしまい、「今日も良い1日を!」とは!

 もちろんお金に余裕のある方でしょう。しかし、お金に余裕があるからといって、果たしてやるでしょうか?

 すごいなぁ、マネのできないことだなぁ、と思って聞いていたら、マネをする人が次々出てきた、というからまたまたビックリ。欧米人的センスにピッタリはまるからなんでしょうかねぇ。

 まあ、センスの違い、やり方の違いはどうあれ、人のために良いことをしている人は、素直に賞賛したいものです。

 足を引っ張ったり変な勘繰りを入れたりせずに。

2018.01.31:壱岐産業:[事務局ノート]