今月も、「まちネタ」(街で見つけたコラムに潜むコミュニケーションのネタ)をお楽しみください。
◎一石二鳥
NEXCO西日本 (西日本高速道路) と、TOTOが共同開発した、サービスエリア用の「手洗い器付き小便器」が、利用者から好評を得ています。
小便器の上に手洗い用の蛇口が付いており、使用後水を流すと、その場で手が洗える上、水がそのまま小便器に流れ込む無駄のない構造となっています。
便器と手洗いを一体化することにより、節水効果と手洗いスペースの削減につながっています。
私たちの周りには、利便性にすぐれたものが多くあります。 それは先人たちの飽(あ)くなき追及による、知恵と努力の結集でしょう。
仕事において、「これはこういうものだ」 「こうでなければいけない」といった既成概念にとらわれていることは多くあります。
今作っているものや仕事の進め方を、柔軟な発想で捉え直してみましょう。
改善することで、利便性を上げたり、節約できることがあるかもしれません。
一石二鳥を生むヒントは、案外、すぐ目の前にあるものです。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
<コメント>
導入から5年。画期的な製品なのに、まだそれほど普及していないようです。
NEXCO西日本によると 「導入するタイミングがトイレをまるごと改修する時に限られている」 というのが理由のようです。
その他にも、
「滞在時間が長くなるので混雑時に待ち時間が増える」「手を洗った後、便器周辺がぬれてしまう」といった指摘から、同社では、小便器の数が少ないトイレは除外したり、手を洗った水が床に落ちても水滴が目立ちにくいような床材を使ったりと、導入には工夫しているようです。
なかなか一筋縄ではいかないものですね。
◎もったいないこと
多くの日系人が暮らしているブラジルのサンパウロ市に、日本文化を伝え、ブラジルと世界に貢献することを目標とする、私立大志万(おおしまん)学院があります。
同学院では、幼児から中学生までが学んでいます。
毎年の運動会にはテーマが設けられ、子供たちは、そのテーマに沿って作文を書きます。
今年のテーマは 「もったいない」 でした。
子供たちの作文には、これまであまり聞いたことがないような「もったいない」 が書かれていました。
それは、 「怖がって物事に挑戦しないこと」、「自分に自信がないと逃げること」、 「めんどうくさいからチャンスを逃すこと」、「携帯電話やゲームばかり やって、家族と楽しいひと時をつくらないこと」、「友達とケンカすること」 などでした。
日頃私たちは、まだ使えるものを処分する時などに 「もったいない」 という言葉を使います。
それだけに、様々な可能性を失うことを 「もったいない」 と感じる子供たちの発想は新鮮です。
自らの可能性を閉ざすような 「もったいない」 行動に気をつけたいものです。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
<コメント>
子供のうちは特に、可能性にふたをすることはあまりにもったいない、と本当に思います。
それにしても、この学校の子供たちはすばらしい教育を受けていますね。
日本の中学生でこういう発想が出るかなぁ・・・。 やはり教育目標がしっかりしているからなのかなぁ・・・。
ところで、ここで出てきたような類似する事例について、私たち大人はどれだけ自分の心と向き合っているでしょうか。
できているかどうかの前に、向き合っているか? に気をつけたいですね。
お国柄の違いだ、で終わらせてはMOTTAINAI。