今月も、「まちネタ」(街で見つけたコラムに潜むコミュニケーションのネタ)をお楽しみください。
◎武将の教え
戦国武将の言葉には、現代にも活用できる教訓があります。これは戦国時代の猛将、武田信玄にまつわる話です。
信玄は日頃から、配下の武将たちに、武将としての心構えを説いていました。
その一つに、「戦(いくさ) に勝つということは、五分を上とし、七分を中とし、十分を下とする」 という言葉があります。
家臣がその意味を尋ねると、信玄は、「五分の勝ちであれば、今後に対して励みの気持ちが生じ、七分の勝ちなら、怠 (なま) ける心が生じてしまう。そして、完勝してしまうと敵を侮 (あなど) り、驕 (おご) りの気持ちが生まれ、身を滅ぼしてしまう」 と言いました。
成功は慢心と隣り合わせです。緊張感の欠落にもつながり、人にも組織にも、油断という緩 (ゆる) みを生じさせるものです。
「勝った」 「達成した」 「成就した」 時こそ、要注意といえるでしょう。
安堵 (あんど) 感に浸り過ぎることなく、適度な緊張感を持って、張りのある仕事環境を創り上げていきたいものです。
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<コメント>
毎年、個人的にその年の目標を分野ごとに細かく設定して、年末にふり返っています。達成率はだいたい七分くらい。怠け心が生じてしまっているのかな?(笑)
では五分の方が良かったのか?それもなんか違う気がしますね。
相手のある勝負ならいざ知らず、目標達成については、やはり九分くらいはいきたいものです(苦笑)。
適度な緊張感を持ってことに臨む姿勢を保ち続けるには、定期的にふり返る時間を持って初心に帰ることでしょうか。
◎打てば響く
皆さんは、この1週間で、何度名前を呼ばれたでしょうか。日々たくさんの人から、名前を呼ばれます。
職場では、役職や役割で呼ばれることもあります。その時、最初にする行為は返事です。
打てば響くような「ハイ」という返事ができれば、その後のコミュニケーションはスムーズに運ぶでしょう。
「ハイ」という返事は、たった二文字にもかかわらず、仕事の成否にも直結する大きな力を秘めています。
返事をする場面は、職場に限りません。
家庭においても同様です。家庭は、公の場ではないだけに、返事がおざなりになりがちです。
夫や妻から、親から、子どもから呼ばれた時、目も上げずに、不機嫌そうな返事をしていませんか。
自分から誰かを呼んだり、話しかけた時、気のない返事が返ってくることほど、寂しいことはありません。
親しい間柄でも、自分がされて「気持ちがいいな」と思えるような返事をしたいものです。
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<コメント>
家庭における 「気持ちの良いハイ」 の返事ほど簡単そうでむずかしいものはありませんね(笑)。
もちろん関係がいいときはいいのですが、ちょっと面白くないことがあったりすると必ず返事にそれが表れます。我が家だけでしょうか?
せめて返事だけでも明るく歯切れのいいものにしていると、それまでの心のモヤモヤはどうでもよくなってくるなぁ、と冷静な時はいつも思っています(笑)。形から心を整えるっていうやつですね。
どんなときも 「ハイッ」小学生でもできるこの単純なことをクリアするために、私たち大人こそが真剣に取り組む必要を感じています。