今月も、「まちネタ」(街で見つけたコラムに潜むコミュニケーションのネタ)をお楽しみください。
◎ 七夕の天気
七夕の晴れた日に、織姫と彦星が天の川で出会える伝説は有名です。
しかし、実際に七夕の気象データを調べてみると、過去三十年間、東京で晴れた日は三分の一程度です。
《 織姫と彦星は、年に一度しか会えないのに、それすらも十分に叶わないのは気の毒だな 》と感じる方もいるでしょう。
ところで、織姫と彦星のモデルである「こと座のベガ」や「わし座のアルタイル」は、誕生して数億年と考えられています。
一年に一度の七夕のうち、晴天の日が三分の一だったとしても、出会えた回数は数千万回にも上ります。
一方、人間の夫婦の場合は、結婚して六十年間、毎日顔を合わせても二万千九百日です。
宇宙規模に視野を広げると、毎日、様々なことで一喜一憂している私たちは、いかに小さなことで悩んでいるかを痛感させられます。
時には、果てしなく広がる夜空を見上げて、広い視野で自分の心を見つめてみましょう。
出口が見えないように思える悩みでも、解決の糸口は、夜空にきらめく星のごとく無数にあるものです。
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<コメント>
数千万回! 参りました。
何か大きな困難に出遭ったら、この話を思い出したいですね。見方を変えれば、実はたいしたことないな、と思えるかもしれないですし、そう思えることで、解決策が見出せそうです。
空を見上げるという行為そのものも健康にいい、と聞いたことがあります。この夏、夜空を眺めて数千万回の愛の劇場を空想しませんか?
◎ 言い訳
私たちは他者に注意を受けた時、とっさに言い訳をすることがあります。
言い訳とは、自分の失敗を弁解したり、身の潔白を証明することを指しますが、他にもいろいろな意味を持つようです。
辞書によれば、「言い訳」には「物事の筋道を明らかにして説明すること」「過失や罪を詫(わ)びること」といった意味もあります。
上司や部下、友人や知人、家族などから注意をされた時、素直に聞き入れることはなかなか難しいものです。
注意をしてくれた人に食ってかかったり、自分の言い分を主張して、人間関係に亀裂が生じてしまう場合もあります。
言い訳の意味にもあるように、まずは「過失や罪を詫びる」謙虚さを持って、注意を受け止めてこそ、その後の説明が相手に伝わり、筋道を明らかにすることにつながるのでしょう。
注意を受けた時は素直に受け止め、過失があればサッとあやまることのできる自分でありたいものです。
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<コメント>
これが常々できれば、コミュニケーション上のトラブルの大半がなくなるかもしれません。
しかし人の心はいつも安定しているわけではありませんね。状態のいい時にはできても、不調の時はついつい反応的な対応になりがちではないでしょうか。
問題はその後です。勇気をもって 「あの時はすみませんでした。ついつい感情的になってしまいました」と言えるかどうか。ここが分かれ目ですね。