戦後70年の総理大臣談話が注目を集めましたが、どのようにお聞きになったでしょうか?
いい悪いは別として、専門家が吟味を重ね、ずいぶん多方面に配慮した内容だったなぁ、
というのが私の感想です。
それに対して天皇陛下のお言葉はとてもわかりやすくて心がこもっていましたね。
むずかしい=心ではなく頭で考えている、と言えるでしょう。
わかりやすく話せ、というのは、心を伴って話せ、という意味も含まれているのかも。
さて、その終戦記念の日に小学校時代の同期会を卒業後41年経過して初めて行いました。
120名中、その実家にはがきを出せたのが40名。うち14枚は転居先不明で戻ってきました。
声がけが1か月前だったこともあり、5名くらいでいい、と思っていましたが、
なんと14名が参加してくれました。
そのうち3名は中学校は地元を離れたり、私立中学校に行った人だったので、
やっぱり小学校にこだわってよかったなぁ、と思いました。
90歳に手が届きそうな担任の先生も参加してくれたのは何よりでした。
電話の感じでもかなりシャキシャキしていらっしゃいましたが、胃袋を含め、
大変お元気で、教え子の成長を2時間中座することなく楽しんでくださいました。
友人達はこぞってシニアグラス。
当時比較的おとなしかった人も、社会人として揉まれてきた中で饒舌となっていたり、
それはそれは楽しいひとときでした。
ゲマインシャフトとゲゼルシャフトという言葉をご記憶でしょうか?
たしか中学校の歴史の授業で習ったような気がします。
私は時々、この2つの違いに思いを馳せます。
ゲマインシャフト=共同体組織は、構成員一人ひとりのために存在する組織。
最小単位は血縁組織であり、町内会や出身校のOB組織、スポーツや文化のサークル等が
それにあたります。つまり、今回の同期会はもちろんこれです。
ゲマインシャフトでは構成員の満足感を高めることが一番大切なこととなります。
一方、ゲゼルシャフト=機能体組織は、目的的集団のこと。
組織は目的を実現させるために人材やその他の資源を集め、役割分担や指揮命令系統の
整備を行っていくのです。代表的なゲゼルシャフトはいわゆる民間の企業です。
目的追求に熱心になることは、組織の性格上あたりまえのことです。
でも、自分の組織だけの利益を考えすぎるあまり、あるいは短期的な利益を求め過ぎる
あまり、たくさんの不都合が生じ、その極端な例が、戦争ではないかと思うのです。
戦後70年、私たち企業人の心のあり方として、ゲマインシャフトのような構成員の
満足度を高める部分とゲゼルシャフトの目的追求の上手なバランスが求められていると
小学校の同期会を通じて改めて感じました。