ハモコミ通信2015年4月号

  • ハモコミ通信2015年4月号

今月も、「まちネタ」(街で見つけたコラムに潜むコミュニケーションのネタ)をお楽しみください。


 

◎ 客ぶり

 茶道の世界に「客ぶり」という言葉があります。

 良い客ぶりとは、おもてなしをする主人側に対して、もてなしを受ける客側が、主人側を喜ばす所作や振る舞いをすることです。

 これにより「おもてなし」が完成し、主客ともに、和に満ちた時を過ごすことができるというものです。

 私たちは普段、いろいろな店に足を運びます。その際、感じの良い店か悪い店か、客の立場から評価をします。

 これに対して、客である私たち自身が、客ぶりの良さを発揮しているでしょうか?

 客ぶりの良さを発揮するのは難しいことではありません。品物を受け取り、代金を支払う時に「ありがとう」の一言を添えられるかどうかです。

 お金を出すのは客側でも、商品を販売するお店があってこそ購入できるのですから、ともに感謝し合うのが本来の姿でしょう。

 気軽に「ありがとう」を添えてみませんか。「ありがとう」は店側に好感を持たれるだけでなく、購入者の人柄や品性の高さを感じさせる一言です。

 

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<コメント>

 このような主客ともに和に満ちた様は、聖徳太子の「和を以て貴しとなす」の精神から生まれるものであり、つまり日本人が古来から培ってきたものでしょう。

 傲慢にならず、相手の喜びをお互いに引き出し合うというのは実に素晴らしいことですね。

 私の尊敬する人は、ちょっとした買い物でも、ガソリンスタンドでも、いつでもどこでも「ありがとう」を欠かさずさりげなく言ってます。

 みんながこれを実行したら、それだけで社会が明るくなると思いませんか。

 


 

◎ 七等分の知恵

 目の前にケーキがあったとします。そのケーキを七人で食べる時、うまく同じ大きさで取り分けるには、どのようなやり方があるでしょう。

 アニメ番組『サザエさん』に、「七等分の天才」という題の話があります。

 サザエさんの弟のカツオは、バームクーヘンでも、羊羹(ようかん)でも、メロンでも、何でも器用に七等分に切り分けます。

 「手品みたい!」「定規を使ってるの?」と皆、不思議がりますが、「うちは七人家族だから、体が覚えているんだよ」と、カツオは得意気です。

 番組の後半で、七等分の秘密が明らかになります。

 実は、カツオは普通に八等分に切って、そのうち一個をこっそり隠していたのでした。

 残りの一個は、後でこっそり食べるか、飼い猫のタマにあげていたのかもしれません。

 悪知恵といえばそれまでですが、こうした機知が物を言う場面は、人生でも多くあるでしょう。

 固定観念を捨て、柔軟に物事に向かう時、カツオのように思いがけない妙手が生まれるかもしれません。

 

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<コメント>

 NHKまちかど情報室で、5等分、6等分、7等分…のための、マーカーが紹介されていました。

 もちろんそういうツールがあればそれはそれでいいでしょうが、カツオくん式であれば11等分も問題なし。

 その他のやり方として、全員が信頼する人を指名し、その人が等分だと思うとおりに切り分け、配られたものに文句を言わない、というのも不満の残らない現実的な方法ですね。

 

2015.04.02:壱岐産業:[事務局ノート]