今月も、「まちネタ」(街で見つけたコラムに潜むコミュニケーションのネタ)をお楽しみください。
◎ 三勝一敗
年が明けて、<今年は○○を続けよう> と決心した人は多いでしょう。
たとえば「明日から英会話を一日三十分学習しよう」と決意したとします。初めの数日は、計画通りに勉強が進みました。
ところが、十日ほど経った時に予定外の仕事が入ってしまい、残業もあったので、英会話の学習を忘れてしまいます。
一度習慣が途切れてしまうと、「やっぱり私はダメだ、何をやっても続かない」と自信をなくし、その勉強すら止めてしまいがちです。
決心しても継続できないことを、よく「三日坊主」といいます。しかし、仮に三日実践して一日挫折する、また三日継続して失敗する、さらに三日続ける・・・と、三日坊主を一年間繰り返すと、実に二七〇日ほど実践できることになるのです。
<自分は意志が弱い> と嘆くより、<三勝一敗でもよい>とポジティブに受け止めることで、一年では三日と二七〇日の差になるのです。
やがて三日坊主が四日になり、四日が五日になり、一貫して物事を継続できるようになるでしょう。
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<コメント>
F.ルーズベルト大統領の言葉だったと思いますが、《 考えていたことの7割できれば上等 》というのを聞いて、大統領でもそうなのか、と思いました。
決めたとおりに行うことは気持ちいいけれど、時として我を通すことにもなりかねず、様々な兼ね合いの中で、一歩引く姿勢も大切だなぁ、と思ったりします。
3勝1敗は7割5分ですから、だいたい同じ感じですね。自分一人で生きているのではないことを肝に銘じ、また自分の弱さも許しながらやっていきたいと思います。
◎ 「あなたも知っているように」
人格は言葉に表われると言われます。
Fさんがそのことを実感したのは、今から二十年ほど前のB氏との出会いからでした。
初めて会って話した時、しぼんだ風船がパッと膨らむように、自分の心が温かくなっていくのをFさんは感じました。
<なぜだろう、B氏がいろいろなことを知っているからだろうか。人柄が穏やかだからなのか> 。考えても理由がわかりませんでした。
ところが、二度三度と会ううちに、あることに気づいたのです。
Fさんが何か尋ねると、B氏は必ず「あなたも知っているように」と言ってから、的確に答えてくれるのです。その言葉には、たとえ年下であっても、話し相手の人格を尊重する心がにじみでています。
質問するたびに、「えっ、そんなことも知らないの?」と言われたら、聞く気も失せてしまうでしょう。
B氏を尊敬し続けるFさんは、「あなたも知っているように」は、話し相手の人格をも向上させる言葉だと信じています。
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<コメント>
確かにそうですね。
相手を尊重する気持ち、配慮する姿勢は、言葉の端々(はしばし)に表れるものでしょう。大元である真心をしっかり育てない限り、その場を取りつくろってもそのうちボロがでることでしょう。
しかし、あまり身構えすぎては出る言葉も出なくなってしまうと思うので、現状の自分の精一杯で接するよりほかないのではないでしょうか。
真摯な気持ちを積み重ねていけば、やがて人格は自然についてくるもののような気がしています。