12月5日の石川のブログに、「御多越留」というのしの話がありました。
タオルソムリエとして、上記写真ののしを知らなかったのが恥ずかしかったので、
さらに調べてみました。
「御多越留」または「御多織留」という文字があてがわれているそうで、
むしろ後者の方が多いように感じました。
贈り物として、手ぬぐいからタオルに移行していったときに、
熨斗紙に書く文字が「御タオル」では「倒る」を連想するというので
「御多織留」という当て字を考案したものだそうです。
布地を織った最後の部分を「織留(おりどめ)」と言い、
転じて物事の締めくくりを意味するのですが、
「織留」が「多い」ということは
何度も繰り返し物事の成功を収めることに通じるので、
このような当て字を作り出したと言われています。
このほかに、お手ふき→「御手富貴」、
割り箸→おてもと→「御手茂登」、というのもあるようです。
明治になって平仮名が現在の書体に統一されるまで、
さまざまな漢字の草書体がかな文字として使われていました。
標準的な仮名文字以外の仮名を変体仮名といいます。
御多織留も漢字というよりは変体仮名を使ったものと言えます。