タオルソムリエ⑩ 御多織留

  • タオルソムリエ⑩ 御多織留

 

12月5日の石川のブログに、「御多越留」というのしの話がありました。

タオルソムリエとして、上記写真ののしを知らなかったのが恥ずかしかったので、

さらに調べてみました。

 

「御多越留」または「御多織留」という文字があてがわれているそうで、

むしろ後者の方が多いように感じました。

 

贈り物として、手ぬぐいからタオルに移行していったときに、

熨斗紙に書く文字が「御タオル」では「倒る」を連想するというので

「御多織留」という当て字を考案したものだそうです。

 

布地を織った最後の部分を「織留(おりどめ)」と言い、

転じて物事の締めくくりを意味するのですが、

「織留」が「多い」ということは

何度も繰り返し物事の成功を収めることに通じるので、

このような当て字を作り出したと言われています。

 

このほかに、お手ふき→「御手富貴」、

割り箸→おてもと→「御手茂登」、というのもあるようです。

 

明治になって平仮名が現在の書体に統一されるまで、

さまざまな漢字の草書体がかな文字として使われていました。


標準的な仮名文字以外の仮名を変体仮名といいます。

御多織留も漢字というよりは変体仮名を使ったものと言えます。

2014.12.11:壱岐産業:[事務局ノート]