今月も、「まちネタ」(街で見つけたコラムに潜むコミュニケーションのネタ)をお楽しみください。
◎ ネクストワン
Fさんは書道の先生をしています。指導の度に、生徒に手本を書いてきましたが、生徒はただ手本を真似して、惰性で書いているだけのように見えました。
もっと真剣に学んでもらうにはどうしたらよいか、と考えるうちに、Fさんは、自分自身もマンネリになっていることに気がついたのです。
《 指導者として、もっと良い手本を書かなければ 》と、意気込みを新たにしたFさん。これまでもまじめに手本書きをしてきたつもりでしたが、次こそは一番良い手本を書こうと思うと、毎回気が引き締まります。
そして、この精神は手本書きに限らず、自分が携わる一つひとつの仕事、起居(ききょ)動作すべてに応用できると思うと、なんだか嬉しくなりました。
喜劇王チャップリンは、晩年に至るまで、「あなたの最高傑作は?」と聞かれると、いつも「ネクストワン(次回作さ)」と答えていたそうです。
仕事においても現状で満足せず、常に「次回が最高傑作」との意気込みで、自己を磨き続けたいものです。
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<コメント>
相手を責める前に自分をふり返る、あるいは相手の望ましくない行動のおかげで自分の至らなさに気づかせていただく、という心もちはとても大切ですね。
チャップリンほどの人でも現状には満足してはいなかった。過去の栄光にしがみつかず、次への闘志を燃やしていたのです。とても勇気をいただけますね。
◎ 仕事ができる人
仕事ができる人とできない人には、ある違いがあります。物事に対して、肯定的に捉えるか、否定的に捉えるか、ということです。
上司から指示があった時、肯定的な人は、積極的に受け入れ、すぐに取りかかるので仕事が捗(はかど)ります。
否定的な人は、できない理由ばかりを探しがちです。
では、つい否定的に捉えてしまう癖(くせ)がある人は、どうすればよいでしょう。
医学博士の佐藤富雄氏は、「肯定的で楽天的な言葉を第一声として発すると、脳は《 大丈夫なのだ 》と理解し、『これでよい理由』や『うまくいく方法』を次々と見つけ出していく。否定的な言葉を発すると、脳は残酷にも、その意向に沿って、ただちに『できない理由』を山ほど探す」と述べています。
職場で必要な人材は、仕事のできる人です。それは、能力の差というより、仕事に取り組む心の持ち方による部分が大きいのでしょう。
《 もしできなかったら 》と考える前に、「面白いですね」「きっとできます」といった肯定的な言葉とともに、前向きに仕事に取り組んでいきたいものです。
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<コメント>
ものごとを肯定的に捉えるか否定的に捉えるか、というのはすでに習慣になっていることが多いですね。
でもそれは変えられる。変えようと思いさえすれば。脳の原理を知って自分で限界をつくらない!面白い!
気づかぬうちに、ハモコミ通信が10周年を迎えていました(2004年4月創刊)。 これもひとえに、 「いつも読んでるよ」という励ましのお言葉をいただいてきたおかげです。心より感謝申し上げます。HPに過去のすべての通信を掲載しております。よろしければ覗いてみてくださいね。