今月も、「まちネタ」(街で見つけたコラムに潜むコミュニケーションのネタ)をお楽しみください。
◎ あきらめない
四十歳を迎えたYさんは、社会人となって二十二年目です。真面目に仕事に取り組んできましたが、心が折れそうになることも多々ありました。
仕事の環境に不満を抱えていた時、Yさんは、中学生の息子から大切なことを学びました。野球部に籍を置く息子は、一度もレギュラーになったことがありません。もうすぐ三年生になる今も、毎日練習に明け暮れています。
懸命に取り組む息子に、「なぜ続けるのか」と質問をしました。すると、「だって野球が好きだし、中学では無理でも、高校ではレギュラー取れるかもしれないしね」と、笑顔で答えが返ってきたのです。
Yさんは、息子の言葉にハッとさせられました。あきらめないことの大切さを頭では理解していましたが、失敗が続くと、できない理由を口にして、つい逃げてばかりいたのです。Yさんは、不満ばかりの自分を反省しました。
心が折れそうになった時こそ、「必ず成功させる、必ずやり抜く」という強い決意を持って、仕事に取り組んでいきましょう。
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<コメント>
Yさんは、息子さんからも学ぶ、という素直で柔軟な心の持ち主ですね。そして「なぜ続けるのか」という質問がすばらしい!
どうも私は思い込みで勝手に理由を考えてしまうことが多いようです。質問してみると、いかに憶測がトンチンカンだったか、ということに愕然(がくぜん)とた経験が何度もあります。
ソチ五輪では、選手たちのあきらめない姿に感動しましたね。中でも上村愛子選手の流した涙は金メダル級でした。同じ「あきらめない」でも年季が違いますもの。
◎ 家事の分担
出勤前のことです。Nさんが「ごみ、出しとくよ」と妻に言うと、「よろしく」という、そっけない返事が返ってきました。
「夫が家事を手伝っているのに、もっと感謝の言葉はないのか」と、思わず口から出そうになりましたが、山のように積まれた子供服の洗濯物を見て、言葉を飲み込んだNさんです。
企業コンサルティングを専門とする小室淑恵氏は、自身の家庭において、「家事分担ポイント表」を作り、労力に応じて家事を点数化しています。
「家事の分担率は五分五分だと思っている夫婦でも、ポイントを集計し、平均すると八対一で妻のほうに比重が偏っているもの」と氏は指摘します。
夫は「自分はこれだけやっている」と認められたいものです。しかし、まずは、妻がどれだけの労力を家事に費やしているのかを考えてみましょう。
何より、長年連れ添う夫婦の間柄では、つい感謝の言葉もなくなりがちです。お互いに、労い(ねぎらい)や感謝の言葉をかけ合いたいものです。
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<コメント>
結婚式や婚活イベントなどを通して、5000組ものカップルと向き合ってきたという(株)アートセレモニー社長佐藤律子さん。彼女の「異性間コミュニケーション」という講座は商標登録もされており、圧巻です。
律子さんによると、奥様が旦那さんに家事を頼むコツは、任せたらできてなくても口を挟まないこと、だそうです。できてないことを指摘されると夫はやる気を失う、と。わかるなあ(笑)。