緑綬褒章おめでとうございます

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村上冴子さん、緑綬褒章おめでとうございます!

なんと日本国天皇からの表彰なんですね。これ以上のものはありません!


「多年自ら進んで社会奉仕活動に献身した」とあります。
どのくらいか、といいますと、47年間で53000ページの点訳を行ったということです。


今はパソコンで打ち込むと自動的にプリントされるものがあるそうですが、
それのない時代、コツコツと毎日続けてこられたのです。


6つの点で1文字。最近は顔文字とか様々な記号が増えて、でもそれに対応する
点字が全部あるそうです。
いずれにしても1ページ完成するのに熟練の村上さんをもってしても15分くらいは
かかるそうです。


そして1文字でも間違いがあると、数ページにわたって打ち直さなくてはならない、
というのが点字の大変さです。


私だったら、仮に始めたとしても、何度か打ち直しを経験した時点でやめたことでしょう。
全国で50000ページ以上達成された方は4名だけなのだそうです。


長く続けることができたコツをお聞きしました。
それは好きな本を選んでやること、だそうです。


一番最初に点字図書館から依頼されたのは「白い巨塔」。
上下巻のこの本、上巻をやった段階であまりの内容のひどさ(人間的モラルの低さ)
に点訳すること自体が嫌になり、下巻は丁重にお断りしたのだそうです。


以来、自費で子ども向けの絵本を買って、いい話だなぁ、ぜひ読んでほしいなぁ、
と思ったものだけを点訳するようにしているのだそうです。
だから毎日点訳しながら感動の涙を流したりして、楽しく続けてきたのだそうです。


村上さんは、若いころから全身性エリテマトーデスという難病に苦しんだ方です。


しかし、負けず嫌いの村上さん。
並々ならぬ努力でその病気と付き合いながら見事司法書士の資格を取り、
自宅で司法書士事務所を開業してしっかりと自立されてこられたのです。


ご自身の闘病体験を綴ったものが『ありのまま文学大賞』を受賞され、
それを読ませていただきました。

あまりの大変さに驚きました。こんな苦しみを抱えた世界があるのか、と。


この病気を抱えながらちょっとした仕事をするだけでも大変なわけです。
村上さんは司法書士のお仕事ももちろん立派にこなし、スキマの時間を利用して
点訳ボランティアにいそしんでこられたのです。


村上さんの褒章はまさに天からの授かりものですが、
私には、もうひとつ大きな授かりものがあるよう見えます。


それは村上さんのお顔。

長年の薬の服用でムーンフェイスになっちゃっているの、とおっしゃいますが、
とても品があって活き活きと輝いていらっしゃいます。


やっぱりこれですね! 品性のあるお顔。
これまでの人生が寸分違わず映し出される鏡のようです。


ちなみに村上さんとの出会いは一番上の行のPDFをダウンロードをしていただけると
わかります。


2013.06.09:壱岐産業:[事務局ノート]