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コラムで見つけた ちょっといい話 ③
好評の“ちょっといい話”シリーズです。
◎ 尊いビリ
「一番はもちろん尊い。しかし一番よりも尊いビリだってある」
生涯を初等教育に捧げた東井義雄氏の言葉です。氏は師範学校に入学後、マラソン部に属しましたが、四年間ビリを独占。道中「ウサギとカメ」の話を考えながら走りました。
「カメはウサギにはなれないが、日本一のカメにはなれる。俺はビリから逃れることはできなくても、日本一のビリにはなれるはずだ。ビリであることは恥ずかしいことではない。怠けることのほうが、よっぽど恥ずかしい」というのです。
生きていく間には、最後尾を走らなければならないこともありますが、日本一立派なビリになることは、なかなか難しいことです。なぜなら、最下位になると卑屈になったり、心まで貧乏になりやすいものだからです。
しかし最下位の味のわかる人間でなければ、困っている人、弱い人、貧しい人の気持ちなど理解できるものではありません。最下位になっている時は、得がたい勉強の機会が与えられている時であると捉え、一歩ずつ進んでいきましょう。
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部下や我が子にサッとこんな言葉をかけてあげられたらいいですね。
◎ 物との対話
営業職について十五年になるMさん。まだ駆け出しの頃、先輩から厳しく教えられたユニークな実践がありました。それは、夜休む前に、カバンの中身を徹底的に整理するという後始末の実践です。
その方法とは、1カバンの中身をすべて出す、2カバンに入っていたものを一つひとつ机の上に並べる、3もう一度カバンにしまう、というものです。
はじめは <何でわざわざカバンの中身を出さなければならないのか> と思っていたMさんでしたが、次第にその効果を実感するようになりました。
書類や道具を並べていると、明日の仕事に必要なことや忘れ物に気づいたり、時には、仕事上の難問に関する名案を思いついたりするのです。
Mさんは、この実践が単に物の整理だけでなく、物との対話のひと時であり、翌日の仕事をスムーズに始めるための準備であることを実感したといいます。
後始末は物への感謝の表現、行為の区切りを表わすと共に、次のスタートの準備です。場面ごとに見事な終止符を打ち、好スタートを切りたいものです。
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整理整頓っていうのは、本当に不思議なくらい何かに気づかせてくれますね。
モノの整理だけじゃなく、情報の整理や心の整理も同じこと。先を急ぎたくなる気持ちを抑え、まずはしっかりと整えるべきを整えたいものです。