甲子の大黒さま

▼因果応報の教え

 核抑止力というものがあります。核保有国がそれぞれに地球を消滅させられるだけの核兵器を持ちながら、お互いを牽制することによって結果として核戦争を未然に防ごうというわけです。これは「やったら、やりかえされる」と考えることによって危険なカードが切られることなく、なんとか平和が維持されているようです。
 

 仏教には因果応報という教えがあります。善因善果・悪因悪果という、自分の行いがめぐりめぐって返って来るという教えです。自らが善行を為せば善なる報いを受け、悪行を為せば悪なる報いを受けるというものです。この因果の理法があるからこそ、日常生活で自分を正しながら生きていくことができるのかもしれません。
 

 「自分がしてほしいことを相手にしてあげましょう。自分がされて嫌なことは相手にもしないようにしましょう。」小学校の時によく教えられていたように思うのですが、これが因果応報の教えなのかもしれません。自分の行いがいずれ、自分のもとに返ってくるからこそ、自分の望むことをしてあげましょうというわけです。
 

 さらに「してもらうのを待っているのではなく、まずこちらからしてあげましょう。」ということでもあると思うのです。必ず、その行いは自分のもとにも返ってくるのですから。現代はお互いにしてもらうことを待ち、自分からなかなか積極的になれないのかもしれません。「友達になってほしい」とか「大切にしてほしい」と思いながらも、「まず、自分が」と思えない臆病さがつきまとう時代なのかもしれませんね。
 

 いずれ自分のもとに返ってくると考え、相手に向けての言動や行動を自分の身に置き換えて考えてみることは、相手の気持ちを考えることであり、自分の生き方を考えることにもつながります。日々の生活の中で自分の衝動を抑え善く生きていくためには因果の理法が必要なのかもしれませんね。因果応報、自分の蒔いた種、身から出た錆、自己責任などいろいろな言葉がありますが、因果の理法は日常生活でとても大切なことだと思うのです。



今日の写真
 新緑のこの時期に緑ではなく黄色っぽい新芽をつけた松?を見つけました。なんだかひねくれ者のようで、それでいてかわいらしく写真を撮りました。人間はひねくれ者よりは素直なほうがいいのですが、なかなか難しいものですね。
 
画像 ( )
2007.05.24:hs-1119

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