甲子の大黒さま

▼豊かな国とは

 この前ホームセンターのトイレをお借りしたときに、びっくりする張り紙が貼ってあったので写真を撮りました。なんとも嫌な世の中になったものです。自分さえよければという思いが、家庭のゴミをコンビニのゴミ箱に押し込んだり、体の不自由な人の駐車スペースに車を止めたり、公園の水で自分の車の洗車をしたりという迷惑行動につながるのでしょう。
 
 こういった迷惑行為は、借金の利息のように本人に蓄積していきます。ある一定の量を超えれば犯罪につながることもあるでしょう。本人に自覚はなくとも犯罪予備軍のようなものなのかもしれません。日々の迷惑行為が自分を律する能力を奪っていき、思慮を欠き自分の中の衝動に翻弄されるときがやって来るのかもしれません。頻発する胆略的な事件がまさにそうです。
 
 しかし、もっと恐ろしいのは自分が蓄えた悪徳が次の世代に受け継がれるということです。自分の身勝手な行為を小さい頃から見ている子供や孫に悪影響を与えてしまいます。三世代が徐々に悪徳を積み上げ、孫の代に世間を騒がす大事件を起こすということもあるのかもしれません。負の遺産を積み上げ伝えていくことは、かわいい子供や孫の人生を台無しにするということでもあるのです。
 
 近年、様々な社会問題が取りあげられます。社会のごくごく少数の問題行動では社会問題にはなりません。不特定多数の迷惑行為が統合され社会問題となるのです。私は豊かな国というのは、まわりの人に迷惑をかけないで生活できる人の割合で決まるのではないかと思っています。迷惑をかけないで生活できる人の比率が高ければ高いほど豊かな国だと思うのです。私達は24時間、お金を握りしめ生活しているわけではありません。財布を持っている時間がどれだけあるのでしょうか。お金よりも毎日の生活で不愉快な思いをしないさせないということも大切な基準なのではないでしょうか。
 
 「人に迷惑をかけないようにしなさい」という家庭での口癖はなくなってきています。私達の自由な考えと行動にブレーキをかけるものがなくなってきているのかもしれません。人間は限りない自由を与えられると自分をコントロールできなくなるのかもしれませんね。今の日本は舵を失い漂流しているかのようです。これからは人に迷惑をかけない不愉快な思いをしないですむ社会が求められてもいいのではないでしょうか。

今日の目標
 日々の生活で大切なことを考えてみましょう

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2007.03.17:hs-1119

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