甲子の大黒さま

▼イジメ問題に思う(後編) 

 イジメの問題にしても、二人以上の人間が集まればケンカが起こりますし、三人以上の人間が集まればイジメが起こるのかもしれません。社会人になってもイジメがあります。頼るべき上司がイジメの中心になっていることも多いのではないでしょうか。会社でイジメられれば、じっと耐えるか、仕事を辞めるか、上司より出世して見返すか、少ない選択肢しかありません。そして、自分で考え自分で行動しなければなりません。
 
 もちろん、大人と子供のイジメを一緒に考えることはできません。では、子供のイジメは、どうしたらなくなるのでしょうか。学校や登下校路に無数の防犯カメラを設置して、教師の数を三倍にして教室、廊下、トイレ、校庭で見張っていればイジメはなくなるのかもしれません。しかし、それでは刑務所の生活と同じになってしまいます。それが教育かといえば違うはずです。
 イジメを扇動したり、無関心だったりする教師は失格です。しかし、教師がどんなに頑張ってもイジメはなくならないと思うのです。もし、

 イジメを根絶しようとするならば、それは家庭の役割だと思うのです。

 子供は非常に家庭の影響を強く受けるものです。両親の不和、子供への無関心、粗雑な接し方、反対に過度の期待や過干渉も、子供にストレスを与えそれが外に向かえばイジメという形となって現れるのかもしれません。子供は五歳までに人格がある程度完成すると言う学者もいるそうです。小学校に入る以前の段階です。そういう意味でも教師よりも親の責任が大きいのではないかと考えさせられます。
 
 人間誰しも聖人君子にはなれません。しかし、子供とあたたかい会話を心がけたり、つねに関心を向けることはできると思うのです。イジメの問題を学校や政府に一任しようとしても解決することはないでしょう。大切なことは

 人の気持ちを考えられる、相手を大切にできる子供を育てていくという心がけが、イジメ問題の唯一の解決策なのかもしれませんね。
 
 そこで明日から「大切な家族」という題で連載を始めたいと思いますので、ご覧ください。


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2006.10.29:hs-1119

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