甲子の大黒さま
▼心を鍛えるD
自分のやりたいことをする時間などほとんどありません。私たちの生活はめんどくさいこと、気を使うことで成り立っているのかもしれませんね。ですが、それが人間の生活なのでしょう。以前ブログで紹介した記事なのですが、人間に好きなことをさせ続ければどうなるかという実験がありました。好きな時間に起きて眠る生活、好きな物を好きなだけ食べる生活、めんどくさいことを一切しないで都合のいいことばかりを続ける生活です。
最終的に人間は「ごろ寝の生活」に行き着くのだそうです。
人間とはこの世でもっとも惨めな存在なのかもしれません。植物のようにじっと無常に身を任せることもできなければ、動物のように本能のおもむくままに生きることもできません。
感情と理性と規範を持ち、考えるがゆえに苦しむのかもしれませんね。
哲学者は、それこそが人間の誇るべき能力であるといいます。しかし、凡人である私には「考えるがゆえに苦悩がある」と思えてしまいます。めんどくさいと思う自分、嫌だから言い訳を作ってしまう自分、怒りや嫉妬を抑えられない自分、あとで苦しむと分かっているのに欲に翻弄されてしまう自分、そんな自分の心と向き合って律していくのは大変なことです。孔子は「心の欲する所に従って矩を踰えず」(思うままにふるまって、それで道をはずれないようになった)と言っていますが、孔子にして七十歳になってからの言葉です。私にとってこの言葉は蜃気楼のようなものかもしれません。しかし、私たちは人間社会の中で今日も生きていかなければなりません。めんどくさいと思えることに囲まれながら。
めんどくさいことで・・・続きはまた明日掲載します。ご覧ください。
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2006.10.22:hs-1119
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