甲子の大黒さま
▼心を鍛えるB
礼儀作法にしろ宗教にしろ人間の心を鍛えてくれるものが、失われつつあります。人間の心は毎日の生活の中で鍛えられていくものです。本を一冊読んでも、学校のスローガンに掲げても身に付くというものではありません。めんどくさくても大変でも、続けていくことによって自然にできるようになっていきます。意識しなくても体が勝手に動くようになります。これが体得したということなのかもしれません。
生きていくための知恵とは頭で学ぶものではなく、日々の実践の中で体得していくものなのです。
私も一日中イライラしてしまうことがあります。そんな日はなかなか眠れません。眠れない布団の中でどうしてイライラしたのかを考えます。そうしますと、自分の我にこだわり相手の価値感を受け入れられなかった時、自分の欲に翻弄されそれが思うようにいかなかった時がほとんどです。仏教の教えには無我の境地がありますし、欲は人間を苦しめる根源であるという教えもあります。さらに十善戒には怒りの心を抑えなさいという戒律もあります。しかし、頭で分かっていてもなかなかできないものです。だからこそ、生活の中での実践と反省が必要なのでしょう。私たちは社会の中にあった自然と心を鍛えてくれる習慣を放棄してしまったがために、心が弱くなってきているのかもしれません。
今の日本は我慢することのない、欲望に忠実であることが認められている社会なのかもしれません。
欲しいものを買い、好きな物を食べ、嫌なことはしないという生活を子供の頃から当たり前のこととして成長していきます。
自分のワガママが通らなければ癇癪を起こし、ぶすっとしていれば家族が気を使ってくれる家庭で育ちます。ところが自分のワガママなどひとかけらも通らない社会に出て行かなければなりません。子供の頃から我慢することのない生活、嫌なことをしない生活に馴染んでいる子供にとって、大人の社会はありえない現実になってしまいます。
子育てとは・・・続きはまた明日掲載します。ご覧ください。
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2006.10.20:hs-1119
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