甲子の大黒さま

▼心を鍛えるA

 たとえば、礼儀作法も心を鍛えてくれます。礼儀とは相手に対するマナーであると同時に、自分の心を鍛えてくれるものでもあるのです。玄関で靴を揃えることや正座をすることは、とても大変なことです。しかし、めんどくさいと思う自分に打ち勝ち靴を揃えること、痺れる足を我慢して正座することによって、自分に負けない強い心を養うことができるのだと思います。毎日の生活の中でめんどくさいと思うことをあえて行っていくことによって、

 困難に直面しても実際の行動によって打開できる、生きていく強さを学べるのだと思うのです。  
 
 しかし、今の日本はめんどくさいことはしないでもすむ、簡略化の社会になってしまいました。和室より洋室が増え正座する機会も少なくなりました。お寺でさえ椅子があります。食事に行っても土足のままテーブルに着きます。混雑する人混みの中で、いちいち挨拶などしていられません。礼儀作法を学ぶ機会も実践する機会も少なくなってきているようです。そのため、我慢してやってみる、めんどくさいけどやってみる、ということがなくなってきています。
 
 また、仏教の戒律も人間の心を鍛えてくれます。たとえば十善戒という戒律があります。むやみに生き物を殺さない・人のものを盗らない・公序良俗に反しない・嘘をつかない・大げさなことを言わない・人の悪口を言わない・二枚舌を使わない・欲に翻弄されない・怒りの心を抑える・偏見や差別を持たない、というのが仏教徒が守らなければならないとされる十の戒律です。

自らを律することによって、円滑な人間関係を築くことのできる心を養うことができるのです。 
 
 しかし、今の日本はあまりにも強い刺激の中で信仰というものを見失いかけています。
 
 礼儀作法にしろ宗教にしろ・・・続きはまた明日掲載します。ご覧ください。 

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2006.10.19:hs-1119

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