甲子の大黒さま

▼なぜ苦しむのかB

 また、相手に対する過剰な期待もお互いが苦しむことになってしまいます。今の生活というのは、なるべくしてなっているのです。

 人それぞれに頑張っている結果が今の生活なのです。そして自分のことは自分が一番分かっているものです。 
 
 「あなたぜんぜん分かっていない」と言われても、十分に分かっているのです。ただ、分かっていてもできないことがたくさんあるだけなのです。自分でも分かっていることを、改めて言われるのは辛いことです。ますます自信がなくなりますし、やる気もなくなってしまいます。相手は自分の期待通りには動いてくれません。しかし、だからといって相手に期待している自分を変えることもできません。「もう、あいつには何も期待しないよ」と言ったとしても、そのこと自体が相手への期待に捕らわれているということなのかもしれません。人間簡単に相手への思いを断ち切ることなどできないものです。だからこそ、相手も変わらない、自分も変われなくて苦しむのかもしれません。
 
 相手を変えることができないからこそ、自分が変わらなくてはならないというのが真理なのでしょう。

 たとえが悪いのですが、家事などまったくできない娘を持ったお母さんが長期の入院をしなければならなくなりました。お母さんは家族のことをとても心配しました。しかし、娘はお母さんの入院中に家族のご飯を作り掃除や洗濯など、今までお母さんがしていたことをすべてしてくれました。また、自営業で息子さんと二人で仕事をしているお父さんがいます。息子さんは仕事を継いでくれたのですが、毎日遊んでばかりいます。ところが、お父さんが骨折してしまい、しばらく仕事ができなくなってしまいました。そうすると今まで遊んでいた息子さんが変わりに頑張るようになりました。
 もちろん入院したり骨折する必要はないのですが、お互いに依存し合っているということがあるのかもしれません。自分が頑張らなければならないと思うことが、相手を現状に縛り付けているのかもしれませんね。

 相手に期待しながら、現状維持から抜け出せない環境を作っているのかもしれませんね。
 
 お互いに支え合うのではなく、依存し合っているということが多いのかもしれませんね。今の生活はお互いに作りだしているものなのです。もし、今の生活に不満や苦しみがあるとすれば、その半分は自分が作っているのかもしれません。それをすべて相手のせいにしてしまってはかわいそうです。

 知らず知らずに行っている自分の役割を変えることによって、自分を困らせている相手の役割も変わっていくのかもしれませんね。 
 
 また、自分自身のことでも・・・続きは明日掲載します 
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2006.10.11:hs-1119

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