甲子の大黒さま

▼なぜ苦しむのかA

 大切なことは問題行動へと駆り立てるものは「何か」ということです。この部分でお互いの問題になっていることが多いのです。たとえば、ギャンブル依存症という問題があるとします。奥さんは旦那さんが自分に無関心なことに対してパチンコでストレスを発散します。しかし、旦那さんは奥さんがパチンコをしていることを知り、なんとかやめさせようと説教を続けます。奥さんはさらにストレスが溜まりパチンコに通い、ギャンブル依存症になってしまいました。旦那さんは借金をしてまでパチンコに通う奥さんと離婚する決意を固めます。すべてのものに嫌気がさした奥さんは自暴自棄になり離婚を承諾してしまいます。

 お互いが相手を理解しようとせずに、表面的な問題に捕らわれ不幸になってしまう典型です。
 
 親子関係もそうです。たとえば、引きこもりの問題があるとします。子供が不登校になってしまいました。両親はなんとか学校に行かせようと必死になります。しかし、子供は自分の気持ちなど考えずに責める両親に失望し、ますます学校に行きたくなくなります。いくら言っても学校に行かない子供に、まったく自分の気持ちなど理解しようとしない両親に、親子の溝はますます深まります。しかし、同時に両親は子供の食事の心配をし、少しでも外に出てくれればと小遣いを渡します。子供のほうも一人では生きていくことができませんから両親に甘えてしまいます。

お互いに溝を深めながらも、依存し合う関係ができてしまうわけです。

 両親は子供の過ごしやすい環境を作りだし、子供はそこから抜け出せなくなってしまいます。両親は八十歳になり年金で子供を養い、子供は五十歳になっても社会に出ることができないという話を耳にすることもあります。
これは大げさな話なのですが、お互いに問題を大きくしていくこともよくあるのです。

 私たち人間は大切なことほど言葉にできないことがあります。言葉にできないからこそ、行動として表れてしまうのです。

 しかし、相手の表面的な行動ばかりに目がいき、相手が伝えようとする思いに気づかないでいると、大きな問題になってしまいます。相手の問題行動なのだと思っても、その行動に駆り立てているのは自分かもしれないと、考えてみることも大切なのかもしれません。実際、今まで言えなかった気持ちを相手に伝えることができれば、今までの問題が嘘のように平穏な生活に戻ることもできるのです。
 

 また、相手に対する過剰な・・・続きは明日掲載します 

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2006.10.10:hs-1119

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