甲子(きのえね)の大黒さま

 また、自分自身のことでも、なかなか思うようにはいかないものです。まわりに対する不満や社会に対する不満なら、いくらでも口に出して発散することができます。しかし、自分自身に対する不満となれば、あまり口に出せないだけに辛くなるものです。

 思うようにいかない現実ならば自分の力で変えていけばよいのですが、私たちは自分が変わっていくことを嫌います。 

 新しいことに果敢に挑戦することをためらってしまうのです。それは子供の頃から無難に生きなさいと教えられてきたからなのかもしれません。日本人は子供に「迷惑をかけないように」、「みんなと一緒に」、「普通に」と個性のない優等生を求める傾向があるのかもしれません。出る杭は打たれるという風潮はまさにその象徴です。そういった風土で育ってきた私たちは、自分の思うように変わっていくことよりも、現状維持を選択してしまうのかもしれませんね。
 
 「今の自分は本当の自分ではない」、「自分らしく自由に生きてみたい」、「平凡な毎日から逃れたい」と誰しもがいろいろな思いを持っているのではないでしょうか。しかし、

 大人になれば理想と現実には大きな違いがあることを知っています。

 自分の思うような現実を作っていくためには、並大抵の努力では足りません。また、どんな小さなことでも変わろうとして、自分の中に新しい歯車を一つ加えれば、自分の生活がどのように動いていくのか予想できない怖さがあるのかもしれません。嵐の海に小さな船でこぎ出す勇気が必要なのかもしれません。しかし、「そこまでするくらいならば」とためらってしまうものです。
 
 また、私たちはお互いに影響を与え合っています。自分が変われば、確実にまわりの人間にも影響が及びます。「長男として家に残ったが本当は・・・」、「家族のために今の仕事を続けているが本当は・・・」、「子供のために我慢しているけど本当は・・・」と自分の思い通りにいかないのは自分が一人で生きているのではないからです。

 相手を思うがゆえに変われないということもあります。
 
 社会の中に自分の責任と役割があり、それを放棄することはできません。周囲の反対を押し切り自分の道を歩んでいける人は稀なのです。たとえば10人中9人が自分に賛成しても、反対した1人のことが気になってしまうものです。自分の思うように生きてみたい、そのためには全員一致のあたたかい声援が必要なのかもしれません。ドラマの中では見かける光景なのですが、現実の世界ではなかなかそうはいきません。ですから、私たちは思うようには生きられないのかもしれません。
 
世の中には自分の思い通りに・・・続きは明日掲載します 



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