histoire

練り歩く街の喧騒に
少しだけ迷惑そうな顔した子猫は
いつのまにか走りだしていたみたい
夢か現かすらわからなくても
咲き散る小さな花の嵐を
探していたみたい

弾む鼓動の早さに
億劫そうな顔した子猫は
いつのまにか俯いて立ち止まっていたみたい
移り変わる風景の早さに
捜し物の在処が
わからなくなったみたい

沈む太陽の紅さに
憂欝そうな顔した子猫は
また少しずつ歩きはじめたみたい
明日の天気なんてわからなくても
止まらない時間に
気付いたみたい

「本当に僕はタダシイのかな…」

2005.04.08:sasa:[メモ/詩ク]


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