音声のみ聞くことができます→ http://youtu.be/oWk0IgpnIZY
11月11日(火)のモーニングセミナーは、
特定非営利法人 子供の村東北
理事 今野 和則 氏 に
『チャレンジド・ファーストの理念について』というテーマでお話しいただきました。
特別支援教育という障害児に対する支援教育に携わる者は「子供を師とする」ことをモットーにしている。健常者の子供の教育は自らが師であるが、障害児の場合は、一人一人特性が違う。教科書がある訳ではないので、他のことが当てはまらない。
障害児教育や特別支援教育に携わる者は、心にゆとりが無いと仕事が困難を極める。
「チャレンジド(Challenged)」とは、「挑戦を運命づけられた人」という意味で、障害者を指す。そして、21世紀は障害者の時代(チャレンジド・ファースト)である。
2008年、国連において「障害者の権利条約」が発効され、日本は2014年に批准した。
特別支援教育は、現在は障害を持つ子供の有無にかかわらず、全ての学校で行なうことと文科省により通達されている。以前は特殊教育と呼び、限られた学校でのみ行なわれていたが、特別支援教育というものが、障害のある子供だけではなく、障害の無い子供達にも重要ということである。「共に生きるための社会」をつくっていく上で重要な理念であり教育である。
障害は、以前は個人の問題としていたが、現在は環境調整を行なうことで障害を無くしていける、という考え方がある。物的環境と人的環境を変えることで、バリアフリー社会を作っていける。しかし、一番難しいのは、人的環境を変えていくことである。
発達障害者のストレスを理解すること。彼らはストレスを訴える術を知らない。
特殊学級の子供達と普通学級の子供達の交流は、障害児にとっては助けにならないが、普通学級の子供達にとっては、将来に役に立つ教育になる。障害者を理解できる人間を育てることができる。共生の体験教育が、社会全体の智恵になっていく。
「子どもの村東北」について
親のいない子供達を社会的に養護していく。
施設養護と家庭養護
日本の里親養育の環境は世界的に低く、国連から改善勧告を受けている。
親を失った子供達は、自尊心(自己肯定感)が育たない。
虐待を受けた子供ですら、親が悪いと思っていない。
震災孤児の自傷行為や感情の記憶の甦り
専門性を持った養育里親の育成
教育とは
「子育て(教育)というのは、子供に内在する能力を尊重し、いかにその子供が大切で、かけがえのない存在であるかということを伝えていくことに尽きます。
私達大人が、子供と効果的なコミュニケートしてこそ、子供達に内在する豊かな能力を開花させることができるのです。これこそが本当に子供を愛することなのです。」
チャレンジド・ファーストとは
・共生社会を志向(普遍化)すること
・ユニバーサル・デザイン(汎化)であること
・ステイタス(一流)であること
「障害とは、理解と支援が必要な個性である」