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元・地元FM局アナKクンの涙
Kクンが岩手のある放送局にアナウンサーとして入社してきたのは、私の記憶が確かなら、1995年のことです。同じ年、私の古巣であるめんこいテレビに彼と同期の新人アナが入ってきたことから、そのKクンのことも弟の様な気持ちで迎えたことを今でもよく覚えています。
Kクンは今日、うちの人気パーソナリティである山本大一クンの番組枠で電話インタビューのゲストとして出演してくれました。縁が縁を呼ぶ話なんですが、Kクンと大一クンは、同じFM局で、一時ともに活躍した仲。そんなKクンは、数年前に岩手を離れ、神奈川のコミュニティFM局に転職したのですが、今は福島の県域FMに移ったとのこと・・・
当然、話は原発になり、福島の農作物がいかに差別を受けているか、福島の人がいかに風評被害に耐えているか、Kクンは以前は見られなかった冷静なしゃべり口調で最初こそ淡々と報告していました。
しかしKクンはずっと気を張りつめていたのでしょう・・・
大一クンが「最後に岩手のリスナーにメッセージを」と言ったあとはずっと涙声に。私と同様、県外から岩手に来て、岩手が第二の故郷になったKクンには今回の震災によって親しみのある三陸沿岸の各地が無残な姿になってしまったことが信じられなかったのでしょう・・・
彼は、暮らし始めて間もない福島のこともあれほどの当事者意識で語っていたのです。10数年も住んだ岩手の惨状にどれほど胸を痛めていたことか・・・
リスナーに向かって「がまんしなくていいと思います・・・耐える必要はないと思います・・・」と語る彼が一番がまんしていませんでした。
生放送なのに明らかに電話に出ながら泣いているKクンに大一クンは、ただ黙ってうなずいていました。それを目の当たりにしたミキサーも泣いていました。そしてスタジオの外で2人のやりとりを見ていた数人のスタッフも感極まった様子でした。私も帰る電車の時刻が迫っていましたが、その場を去ることはできなくなりました・・・
私は、Kクンのような放送人がいる限り、さまざまなメディア批判も乗り越えていけると確信しました。私は彼の様な人に、キー局のアナウンサーとして活躍してほしいです。(落合)
2011.03.30:
えふえむ花巻
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