HANACEN 活動報告

▼2月1日 協働のまちづくり推進セミナー報告

平成23年2月1日 私達 NPO法人花巻市民活動支援センター 主催にてセミナーを開催させて頂きました。

以前にも簡単に報告させて頂きましたが、詳細ご報告します。

当日、まずは、進行係の高橋岳志とパネリストの皆様で打ち合わせをさせて頂きました。

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理事長の中台照幸より、趣旨について挨拶させて頂きました。
(本人も長く市民活動に携わり、花巻少年少女発明クラブなどの設立、運営に尽力してます)

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進行役はHANACEN(花巻市民活動支援センターの略称です)の高橋岳志。
彼は、障害者福祉の専門家で、富士大で非常勤講師もしております。設立時からのメンバーです。
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第一部は「今 あらためて 協働とは?」というテーマで講演して頂きました。
講師は 北上市の NPO法人 いわてNPO-NETサポート 元代表理事 高橋穏至さんです。

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以下、報告書からの抜粋です。
・協働とはやりたいことの共通の目標の一致の下、それぞれの得意を生かして取り組むことである。また、協働することで活動の幅が広がる効果が期待できる。

・N POには縦割り意識がないので効果的に活動でき、協働の効果に対しても評価が高い。

・行政側も市民との協働によって、新たに別の視点や受益者のニーズを捉える事が出来る。

・サービスの受け手側は、支援の幅が広がりきめ細かいサービスが受けられ、自ら出来ることはやろうという機運が生まれる。

・団体側も事務処理能力が育ち、受益者からの信頼も上がる。

・協働のプロセス概念図・・@協働には参加・参画が大事、計画づくりにまず参画。Aニーズの把握には、現状分析と合わせて、私たちがどうなりたいのか、どうやって実施の計画を作るかみんなで議論。B協働の実施形態・・委託とは、事業主体は行政である。補助金は、公共性が高い事業であるが、行政だけでは無理なので、およそ1/2-1/4の補助金を交付して民間が実施。共催とは場所の提供で共催の形態を取って使用料を無料にするというもの。

・協働の条件は、互いに自己確立できていること、相互認識と相互理解が出来ていること、共通の目標・課題を持つこと、開かれた関係であること、公開性があることなどであるが、NPO側の問題としては、団体によって程度が異なるが、マネジメント能力が低いこと、運営能力が弱いこと、事業遂行力が弱いことなどが指摘できる。団体と行政の
間で言えることは、協働の意識やミッションについて、相互に理解が不足し、この点の相互のルールが築けていないことである。また、協働に関して市の下請けではないかとの誤解が有り、かつ支援体制が不足していると言える。

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北上市の状況と経緯をご説明頂き、とても分かりやすい内容でした。ありがとうございます。

第二部は パネルディスカッションとなります。

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右手前から
NPO法人レスパイトハウス・ハンズ(一関市)
会長 小野仁志さん

NPO法人 やませデザイン会議(久慈市)
議長 田中卓さん

NPO法人 いわて地域づくり支援センター(盛岡市)
常務理事 若菜千穂さん

NPO法人 風・波デザイン(紫波町)
副代表運営委員 鎌田千市さん

皆さん、実績のあるすごいメンツです。

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以下報告書より抜粋
・小野仁志さんのお話しより
協働とは、足し算ではなく掛け算である。団体+行政ではなく、    
地域×行政であり、無限大の広がりを持つ。
・ 協働とは継続的な話し合いと合意によって進めるものである。話し合いの基本は納得度の高さか、得られ
る結果の質を優先させるものか? 内容に大きく左右されるものであり、正解はない。結果の質の高さを優先すると、気がついたら後ろに誰もいなかったということが起こりえるし、逆に、納得度を優先すると結果の質が犠牲になるといったことが生じる。しかし、納得度の高さは、ある一定レベルに達すると、急カーブで質の高さが得られることもある。いずれにせよ、納得度と満足度の高い話し合いを継続的に行うことが大事。
・ 協働の5原則(P13参照)
・ 協働の定義はない。花巻は花巻の協働のスタイルが有り、地域によって異なる。ポイントは、協働は検討
の段階から市民が参加・参画して作ることである。協働をイメージするのは、事例を協議することでイメージ化できる。
・ 協働の推進は、市民活動の中間組織が主導でファシリテート(話し合いを促す)することが効果的であ
る。
・ 協働は、たくさんの人に集まって貰い、集まった人に趣旨を理解して頂くこと、簡明で活発な議論を行い
みんなで決めたルールは守り、決まったことは実行し、実行したことは振り返ることである。
・ 協働とはラフティングである。目的地に向かって、皆がオールを持つ漕ぎ手となることである。

田中卓さんよりのお話し
三陸鉄道の駅を活用してのイベント企画で、「やませ朝市」を応
募したところ、岩手県三陸鉄道強化促進協議会から単年度委託  
費20万円の補助金を得た。協働事業も補助金が切れると事業
が途絶えてしまうことが多いが、自立しての活動へと発展した。
最初、普代商工会青年部が出展者で協力。1-2年目継続した後、
今後どうするかの壁にぶち当たったが、駅前でのイベントは地
域の活性化になりそうだ、でも誰がやれるかと考え込んでいた
が、困っている所からアイデアが生まれる。実行委員会が誕生した。やませは団体の使命を達成し、青年
部はイベントのノウハウを蓄積し、行政は地域活性化を得た。誰がやるが、どうやってやるに変化し、4
年目に至り、商店街でもやれよとの声が出、イベントの舞台も点(駅)から面(商店街)に広がった。結
果としての協働になっていた。
・ 協働の継続の原点は“楽しい”だった。皆が同じの立場(パワーバランスがイコール)で楽しむ。皆が同じ立場でああでもないと議論し、携わる者がしっかり楽しんでいたから続いた。“楽しくなくちゃ協働じゃない”


若菜千穂さんよりのお話し
・ NPOいわて地域づくり支援センターは、地域づくりのお手伝いをしている。地域住民、NPO、行政等が対等な関係を築き、持続的な地域づくりを進めるための支援をしている。
・ 葛巻町冬部地区(3自治会、355人)と西和賀町小繋沢地区(1自治会、125人)では、地域の方々が地域のお宝発見のため、つぶさに地域を歩いて回った。こうした“お宝発見”からそれを生かした地域づくリヘと、地域の人々の関心が高まりマップ作りが行われ、協働の成果が生まれた。 
・ 谷内小学校の統廃合に伴う再活用では、コミュニティー会議の皆さんや自治会との連携(花巻市東和東部地区・5行政区、2,400人)で、ワークショップを開催し活用案を策定した。現在市へ提案しているところである。
・ 地域づくりとは、「実践力」を高めることである。「実践力」は、地域で何か問題が発生したときに問題解決に取組む力であり、実践の積み重ねでしか育たない。
・ 地域の一度緩んだ“結い”を締めなおすためには、なかなか地域だけでは難しい。協働を実現するためには、実践するための支援と実践のための計画が必要である。NPOや行政の支援が必要で重要な役割を果たすことが分かる。
・ 行政は、立ち上げの際の補助と事務局機能を果たす。活動が進展していくうちに、徐々に、事務局機能が地域で担えるようになって行く。協働を実現するにはまず、地域の中で、意思決定体制や実践できる力を持っていることが必要である。
・ また、協働のためには、明確で新しいミッション(目的)が必要である。何でも協働ではない。整理して課題を考えることが大事である。


鎌田千市さんのお話し
風・波デザインは、市民活動支援センターゆいっとサロン、コミュニティビジネスなりわい、NPO活動交
流センター(アイーナ6階)を運営している。
・ まちづくり養成講座を、今年度は3回開催。@共に学び合う“ゆ
るやかな関係作り”としての「コミュニケーション」、A参加者の 
思いを引き出す “進行役”である「フアシリテーション」、Bま
ちづくりの過程を学ぶ 「プロセスデザイン」、Cまちを見る視点、
“まち歩き手法”の「フィールドワーク」、D 事業の起こし方「ト
ータルロプロセスデザイン」の以上5点にわたる6日間の講座を開
催してきた。
・ 計画づくりの手順としては、先ず、思いを共有すること、次いで、
未来をしっかり見据えて理念を作ること。そして、現状を把握し、未来を予測して、方針を立て計画を編
成するのだとのこと。しかし、設計図よりもネットワークが大事であると言う。ネットワークの基盤の上
にあっての計画づくりと言う。
・ 現在、H23年5月着工に向け「オガールブロジエクト」紫波中央駅前都市整備事業に取り組んでいる。オガ
ール(フランス語:駅)(岩手の方言:育つ。成長する)は公民連携による複合施設である。

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事例と、経験を交えながら、とても有意義な時間でした。

そして、会場からも前向きの意見を頂き、私達も元気づけられました。

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交流会においても、皆さんで意見交換、交流を行いました。

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ご参加頂いた皆様、誠にありがとうございます。









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2011.02.21:hanacen

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