居酒屋 銀次郎

▼流線形80

今夜も仕事も終わり、しっぽりと晩酌。

テレビもつまんないので、今日のおつまみは松任谷由実の「流線形'80」

リリース 1978年11月5日
録音  1978年5月〜1978年9月

中学んとき、友達の影響で松任谷由実を知り、名曲「埠頭を渡る風」にはそうとうカルチャーショックをおぼえました。

以後、アルバムを集め始め、紅雀からDelight Slight Light KISSまでのライブラリは今でも大事な宝物となっています。

流線形'80では一般的に埠頭を渡る風及びキャサリンが有名所ですが、冬の寂しい時期に聞きたくなるのが「かんらん車」。


すいた電車が住宅街ぬけて
ひとしきり冬枯れをふるわす
あとに残った ひとりの足音は
川辺リの遊園地をたどる

さびついたかんらん車に腰をおろせば
ゆるやかに空は巡りはじめ
あなたの住むあたり広がってゆく
さよならが無性に恐かった
はりつめた想いが遠くなるの

いつしか雪が静かに舞いながら
チャコールの下界へと流れて
きっとあなたは窓の外を見てる
あのひとの肩を抱き寄せて

つぎつぎと飛行船もゲームも止まり
粉雪が空を埋めてゆく
終わりの暗示には美くしすぎる
私だけ 冬空の旅人
地上に戻るころ 世界が終わる



翳りゆく部屋と並ぶ代表的な失恋ソング。


情景が浮かび上がるような歌詞は秀逸で、感傷フレーズを持ったメロディの素晴らしさは、他のアーティストの追従を許さないまでの完成度。芸術的ですらあります。

かれこれ何千回と聞きましたが、今だふと聞きたくなります。

なんでもそうですが、若い感受性の多感な時期に「いいもの」を体感すると後々思い出として心に深く刻まれるもんです。

当時、アルバム発表時松任谷由実は24歳。

時のないホテルに代表される「水の影」然り、天才と呼ばれる理由はきっとあるんだな。。と酔っ払いながら今夜も更けてゆくのでした。






画像 ( )
2010.12.29:tomokaz

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