ボク ト オレ

両親は映画が特に趣味ではないが、ボクらを楽しませるためなのかよく映画の話をした。

たぶん初めて見た映画は「未知との遭遇」だったように思う。

まだ小さかったボクはその映画の内容が理解できなかった。
ただ単にUFOが空を飛び、宇宙人が出てくる、そんな印象でしかない。


ボクはいつウルトラマンが出てきて悪い怪獣と戦うのだろう?と思っていた。


映画自体はすごく長い映画で途中騒いだだろう。それでも最後までしっかり見たように思う。なぜならボク的にはとても感動したからだ。



内容などわかるはずもない。


映像のすごさなどわかるはずもない。


それでも感動したコトだけは覚えてる。



ボクの兄は最後の方には寝ていた。映画館を出るときには親父の背中にいたからだ。終わってからの親父の顔はあまり楽しそうではなかった。それは両親ともそうだったように思う。



その出来事からボクだけは映画に興味を示しだした。

少ない小遣いをためては電車で映画館に足を運び、映画のパンフレットを握り締めて帰ってくる。またあるときは近くの市民会館にきた映画を見にいったりした。


高校の頃には本気で脚本家を考えた。


しかし、少しだけ勇気が足りなく、その道を断念した。



いまでも映画はよく見る。
しかし映画館で見ることは極端に減った。映画館で見たい映画が減ったからかもしれない。


自分が脚本家になったのだったらどういう映画を作っただろう。
どういう音楽を作ったのだろう。


「もし」「でも」はないけれど、ヒトツだけわかることがある。


もう少し勇気があれば違う自分にはなってはずだ。

2005.05.09:gas:[メモ/小説?]