英のノート

▼経済危機だからこそ九里に

「100年に一度」といわれる不況の「100年」とは,1930年代の世界恐慌を踏まえていると思われます。世界恐慌は工業社会の時代の最後の華(ろうそくが消える直前に最も炎が大きくなるように),それが公共事業政策によって100年延命され,ついに限界に来たと言えましょう。

実は今回の不況は,私は「400年に一度」の世界的な不況だと考えます。
400年前は,農林水産業(第一次産業)社会から工業(第二次産業)社会への変革の節目の時代。主要産業が変われば労働形態も変わり,お金を稼げる人と稼げない人との分かれ目も全く違ってきます。それによって貧富格差が大きく開くところでしたが,江戸幕府が農業を基盤として格差拡大のスピードを抑えました。(ヨーロッパでは貧富格差はものすごく大きくなりましたが)

さて,現代は「情報化」社会。教科書には「脱工業化社会」という単語も載りました。つまり,工業(第二次産業)社会から情報産業(第三次産業)社会への変革の節目の時代なのです。当然,稼げる人と稼げない人との分かれ目も変化しています。これからは,情報能力(付加価値に関する能力)が収入に結びつく時代というわけです。

価値ある情報の条件の一つは,他では得られないここだけの情報,ということです。言い換えれば,個性ある情報です。このような情報が発信できる人は,「普通」の人ではなく,個人個人の特性を大切にする教育を受けた人です。高等学校レベルでこのような教育を得意とするのは私立学校であり,とくに九里学園では教科目選択制に代表される個別指導が徹底しています。
価値ある情報の条件の二つ目は,ニーズに敏感な情報です。言い換えれば,相手を思いやる能力が求められます。九里学園の校是「礼」「譲」は,まさにこの教育に重点が置かれています。単に,生徒個人が良い人に育てばよいという教育方針ではなく,実学(生活に結びつく学問)の教育(九里裁縫女学校)から始まった九里学園では,身につけた能力がどのように社会に反映されるかに力点が置かれているのです。

「米百俵」の話は小泉内閣の時に有名になりました。直江兼続も上杉鷹山も,財政難の時ほど学問が未来を創ると,学問所を開いたり藩校を創設したりしました。苦しい時ほど,こどもに「教育」を投資するのは,古今東西のセオリーです。大人が苦しい思いをしても,将来においてこどもがこれ以上に苦しい思いをしなくてすむように,ということです。

九里学園高校の生徒の皆さんへ
私立学校の学費を負担しても,皆さんを良い環境に通わせてくださっているご両親の期待に応えられるよう,ともに頑張りましょう!
2009.12.08:ei01

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