351 『泥酔懺悔』
著者:朝倉かすみ、中島たい子、瀧波ユカリ、平松洋子、室井滋、中野翠、西加奈子、 山崎ナオコーラ、三浦しおん、大道珠貴、角田光代、藤野可織 (ちくま文庫 2016年9月10日 第1刷発行) 女性作家12人による、お酒の、というより、お酒の上でやらかしてしまったエピソード集でしょうか。 他人の失敗談は、申し訳ないけど面白い。 わが身を振り返ってみて、お酒がらみの話は、男性より女性の話の方が面白い。 男の場合、どうも酒癖が悪いと言うと喧嘩とか危ない話になってしまいがちなのでどうもねぇ。 と言いながら、自分のお酒の上での失敗というか、未だに謎になっている二つの事件を思い出した。 そのうちの一つ。私は家系的にもお酒が強くて、学生になりたての頃に、すでに先輩を酒量では上回っていたと思う。 初めての夏休み、クラブの合宿で信州の温泉地の民宿に、皆より一日遅れで到着した夜、男女の部員でコンパが開かれた。その夜も、いい気になって飲んだ。 しかし、その夜、途中で記憶を失った。 初めての経験だった。 翌日、目を覚まし、部長と民宿の主人に「あんなことをしちゃいけないよ」とこんこんと諭された。 ところが、「あんなこと」の内容を誰も教えてくれない。 建物が壊れているということもないし、ケガをしている人もいないので暴力ではないのではないだろうかと思う。 ただ・・・、なんとなく女性部員の視線が冷ややか。 でも、誰も何も言わない。皆酔っぱらっていたことは間違いないし。 最後の記憶は、酔ってから当時流行っていたディスコミュージックで踊っていたところまで。 さて、そのあと私は何をしたのだろう。 35年経った今も、わからないでいる。
2017.01.18