未熟

お月夜の、寒い夜が明けると、8日の朝はスカッ晴れ。

お堂の中で寝ていた私は「グァーン、グァーン…」というワニ口を叩く音で目が覚めた。
「うむむ…何事か…」この日最初の参拝者が打ち鳴らした音だということに気がつき、状況を理解し毛布をとって、居住まいを正した。

午前5時半だ。
3時間ぐらいは眠れたようだ。

それからしばらく、車でわざわざ参拝に来てくれる方々のお参りが続く。



お堂の後方から、山の奥の彼方にある御滝に向かって遥拝。
見事な晴れになった。

8日は、午前10時からのご祈祷。
お昼を終えると、お堂の片付けを始める。

平日ということもあり、午前中はポツリポツリと参拝の方があるものののんびりとお堂で過ごした^^;



秋の例祭のお勤めを主になって行うのは初めて。
お不動さまと向かい合って…、自分はまだまだ未熟だなぁ。
ほんとうに、ちゃんと向かい合うことができていない…、そう感じた。
次の機会はいつであろう。


未熟といえば、昨晩取材にやってきた地方新聞社の記者さんはずいぶん若い人であった。
こんな小さなお堂の、ひそやかなお祭りのことなど、知らないのは当たり前である。
きっと、上司に「行って来い」と言われてきただけなんだろうけど、社会人になったばかりなのだろう、取材対象になる人もわからず挨拶もおぼつかない、しかも予備知識が全くない人で、しかも、ご祈祷が始まるバタバタしているところを、相手の状態も気がつかないようであった。
できれば、いかに地方の新聞社であっても、もうちょっと社内教育をなされてはどうかという感じがした。

ただ、ご祈祷の後のお茶のみに入って、人懐こさがある若者であった。


いい歳をした私も未熟である。
この次、あの記者とまた逢う機会があるかどうかわからぬが、次はもうすこしましな出会い方をしたいものだ。


片づけを終えて寺に戻ったのは夕方の6時過ぎ。
夕暮れ、ようやく二日間が終えた。

協力していただいた方々に感謝である。

2011.09.09:dentakuji:[なあまず日記]