コレクション展「上杉文書をひらく」展示紹介⑤
上杉文書には、米沢藩の刑罰関係資料が豊富です。 判例の収集・整理には、藩政の記録管理を司る記録所が関与し、 記録所の幅広い業務対応がうかがえます。 こうした記録所の手がけた資料が、「上杉文書」を形成する中核の一つとして注目されます。 記録所が役所に対して、樋口伊兵衛はじめ5名の過去の裁許の記録について伺いを立てています。本紙の下には、役所の回答を記した付札が貼付けられ、組織間で文書をやり取りした形跡が残されています。 記録所の伺いに対して、役所ではその人物の犯した罪状やその後の処置について、詳細に回答しています。これには、11代藩主・斉定の初入部が関係していました。記録所では、初入部の慶事に伴う刑罰の減免について、先例を調査していたと見られます。過去の事例を踏まえた適切な対応をすべく、記録所は先例の収集・整理に務めていたことが分かります。 米沢藩の判例を知る資料として、 「御呵附引合」「中典類聚」「御裁許鈔」が挙げられます。 これらの資料は江戸時代のほとんどを網羅しており、 米沢藩の刑罰執行の実態をうかがうことができます。 刑罰の種類は60種類を数え、個々の犯罪に適した多様な処罰が行われていました。 展覧会詳細は こちら 【お問い合わせ】 米沢市上杉博物館 0238-26-8001
2023.01.13