「イデアルグリーン」製造に要する時間
スギの樹皮は、燃えにくい!腐りにくい!という厄介な性質を持っています。そのことが、これまで二酸化炭素の過剰排出、 あるいは不法投棄の一因になるなど問題を指摘されてきました。その厄介者であるスギ樹皮に新たな命を吹き込み、製品化 したのがマルチング材「イデアルファイバー」、土壌改良材「イデアルグリーン」です。 イデアルファイバーは新鮮な樹皮を繊維状に加工した資材ですから、製品化に時間を要するものではありません。 一方、イデアルグリーンの製造には「腐熟(発酵)」という、私たち製造する側にとっては甚だじれったい、 気の遠くなるような時間を要します。 現在、地球上に4か所だけヒューミック・シェールという7000万年前の古代植物堆積層が発見されています。 その中には70種類ものミネラルと、世界中が注目している物質であるフルボ酸・フミン酸が高濃度で存在しています。 中でもフルボ酸は、「奇跡の成分」と呼ばれ、海外において高精度の抽出技術が開発されたことにより 医療、美容や農業などの分野で製品化されるに至りました。 日本においてもフルボ酸に関する研究が進められており、海の豊かさは山で発生するフルボ酸が大きくかかわっている ことが分かってきたのです。 しかし、残念ながらフルボ酸を人工的に生成することは絶対に不可能と言われています。つまり、量産化できない貴重な物質です。 さて、話をイデアルグリーンにもどします。 この奇跡の成分とよばれるフルボ酸、実はイデアルグリーンに高濃度で含有されていることが、専門機関の分析によって 明らかになっています。 そして、申請中の特許にはフルボ酸含有の資材…ということを明記しています。 では、フルボ酸はもともとスギ樹皮に含まれていたのでしょうか? それは、あり得ないことです。 フルボ酸は、動植物が腐熟分解した後にできる最終生成物だからです。 弊社の考えでは、スギ樹皮を堆積し、そこに何も加えず、何も引かず、自然の状態で4~5年の時が進む段階で 徐々に発生するのだろうと考えています。 ・適度な水分 ・安定した温度 ・外気や光から遮断された環境 このような環境下において、まずは樹皮を分解する嫌気性菌が発生し繁殖を繰り返します。 そして腐熟(ふにゃふにゃ・ぐちゃぐちゃ・黒褐色に変化する)が進み、最終的にフルボ酸が生成されると考えているのです。 イデアルグリーンが、イデアルグリーンであるためには、フルボ酸が含まれていなければなりません。 そのためには、堆積したスギ樹皮の山に人の手を下さず、自然のなすがままに任せ、じっと腐熟の時を待つことが必要です。 私たちがイデアルグリーンの製造に4~5年もの時を費やすのは、このような理由からなのです。 市場においてはバーク堆肥として様々な製品が販売されていますが、その殆どは針葉樹と広葉樹が混在しており、 且つ腐熟に際しては発酵促進剤(化学物質)や動物性の排泄物などを投入して強制的に発酵させることにより短時間で製品化されています。 発酵の際には、70~80℃くらいまで温度が上昇することも珍しくありません。 しかし、考えてみますとそこまで高温になってしまったら、生息している菌は殆どが死滅してしまうでしょう。 また、春の需要期になりますと製品の生産を急ぐあまり、中途半端な発酵のまま袋詰めされ出荷される製品もあると耳にします。 動物性の排泄物が発酵分解の途中でパッキングされてしまったバーク堆肥を、 私は使う気がしません。 みなさんは、いかがですか? 次回は「フルボ酸って何者?」ということについて記したいと思います。
2018.03.16