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歴史統計の推移から考える証券投資

 標記の件、野村證券の証券投資セミナーを受講したので報告します。

 1999年以降のデフレ下は円高トレンドが顕著であった。2013年以降は円安になった。その理由は、日銀の異次元金融緩和(日銀が国債を購入470兆円)による。年金積立金管理運営独立行政法人(GPIF)の運用(グローバル分散投資)実績は、H13年から始めてH30年度66兆円の累積収益になるだろう。

 政府債務は1,000兆円に。この借金を年2%のインフレで帳消しにしたいと考えている。金利が上がらず(=0%)物価が上がると(2%)、生活が苦しくなる。金融庁によると、1995年から22年間で家計金融資産は、米国が3.3倍、英国が2.5倍、日本が1.5倍にしかなっておらず、その理由は株式・投資信託の割合が、米国が39→46%、日本が13→19%と少ないためである。

 物価上昇による政府の借金返済の例として、戦後のハイパーインフレがある。日銀券発行残高が、1940年47億円から1950年4,220億円(90倍)に。物価上昇は、電気74倍、ガス180倍、水道92倍、電車賃114倍に。全ての日本国民がその負担をした。(食べ物がなく都会から田畑のある田舎へ移住)

 政府債務残高の名目GDPに対する比率240%になっている。(戦後200%より多い)英国では1944年250%からポンド切下げなどにより23年間で50%台に削減。その間、賢い人たちはグローバル分散投資で家計金融資産を保全して子孫に継承した。政府債務はハイパーインフレによりGDP比266%から50%に激減。金融抑圧政策により実質金利をマイナスに維持し、物価上昇により家計から政府に資金移動した。

 結論として、グローバル分散投資と株式投資を組み合わせる。具体的には、NISAを活用した積立投資信託やファンドラップ投資が大切である。証券会社らしく、貯蓄から投資への流れを、近現代史の数字を使っての説明であり分かりやすかった。また、キャリアプランに加えてファイナンシャルプランの相談にも役立ちそうと感じた。

2020.08.23:dai:コメント(0):[学習]

コラーゲンについて

 以前、コラーゲンについて、新田ゼラチン㈱のセミナーを受講したので報告します。

 コラーゲンとは、人体の構成比からすると6%にあたり、骨や軟骨が10~20%なので、相当な量と言える。3重らせん構造をしており、アミノ酸の塊である。ゼラチンは熱でほどいたものであり、コラーゲンペプチドは酵素で短く切ったものである。

 コラーゲンの機能として、肌への機能(ヒト)は、コラーゲンペプチド5g/日8週間で水分量7%アップする。隠れシミへの機能(ヒト)は、コラーゲンペプチド5g/日4週間で24%メラニン排出する。髪への機能(ヒト)は、コラーゲンペプチド5g/日で髪の毛の太さ2μm増し、抜け毛も減る。関節への機能(ヒト)は、軟骨細胞に働きかけ、老化を防ぐ。骨への機能(ヒト)は、コラーゲンペプチド5g/日で骨密度アップする。骨の代謝(破骨細胞と骨芽細胞)、骨の代謝を調整するペプチドである。

 コラーゲンの効果として、筋肉への効果(ヒト)は、コラーゲンペプチド5g/日で筋肉率4%増加、運動と共に効果大である。血圧の減少(ヒト)は、コラーゲンペプチド12g/日で実現する。血管の若返り(ヒト)は、コラーゲンペプチド2.5g/日でマイナス5歳にする。すなわち、血管をやわらかく→血流を良く→血圧上昇抑制、疲れにくい朝の目覚めに繋がる。糖尿病への効果(ヒト)は、コラーゲンペプチド10g/日で空腹時血糖値の減少する。床ずれへの効果(ヒト)は、コラーゲンペプチド10g/日で大きく改善される。脳の若返り効果(ヒト)は、コラーゲンペプチド5g/日で脳の効率向上する。コラーゲンペプチド5~10g/日を毎日続けることである。

 コラーゲンの素晴らしさに改めて気付かされた。しばらく中断していたが、また続けてみようと思った。

2020.08.10:dai:コメント(0):[学習]

変わりゆく学生の特徴とキャリア支援のポイント

 現代学生気質の詳細な分析結果説明と、若者(学生)へのキャリア開発の必要性と方法について、菊池信一氏(日本工業大学教授・キャリア講座担当)の講演を受講したので、その内容を報告する。

 今どきの大学生気質分析について、次の8つの特徴が各大学生に存在している。①本当は寂しくて仕方ない「ふれあい願望」と、他者との接触を面倒に思う「独り願望」とが共存している。メールは情報収集ではなく、連帯感・一体感を求める手段となっている。②動物占いや星占いに見られる「占い願望」がある。これは各種診断テストを受けたがる傾向に表れる。③朝シャン・抗菌などに見られる「クリーン願望」は、キャッチフレーズなど簡潔・清潔な言葉を好むことに表れている。また、企業選択においては環境重視の側面が大きくなっている。④出来るだけ楽をして成功を得たいと言う「手抜き願望」がある。OB・OG訪問などの面倒なことはやりたがらず、面接を怖がり、面接に嫌悪感を持っている。⑤心地よい体験だけをしたいと言う「快体験願望」がある。⑥先人が成功した方法を安易に欲しがる「マニュアル願望」があり、カッコ悪い失敗はしたくない。⑦親身な立場で叱ってくれる人を欲しがる「叱られて願望」がある。⑧自分の置かれている立場を把握したいと言う序列・目安願望があり、企業偏差値など各就職ナビの方向性と一致している。全体を通しては「漠然願望」があり、アイマイ語を多用する傾向がある。「突出すること、目立つこと」は、他者から非難される対象にもなり、恐れを抱いている。これは、イジメ問題の本質にも繋がっている。

 今どきの大学生のウィークポイントは、次の10項目である。①学力だけで自ら格差を認めて、18歳の春の段階で自己規定してしまう。②憧れ意識と現実とのギャップを認めず、現実逃避傾向が強い。③大学時代の感動・経験不足。④少人数グループの中では元気だが、集団適応能力が欠如しており、会話力の不足が如実に表れる。⑤事件の存在は知っているが、何故それが起きたのか、時事問題に無関心である。⑥国語力の低下現象が著しい。⑦EQ度が相対的に低下し、ルールとマナーの違いを認識していない。⑧入学後、就職活動時、内定時、入社後、いたるところで燃え尽き症候群が見られる。⑨恥をかく、失敗する、挫折することに嫌悪感を持っている。⑩失敗・挫折を人のせいにして、悪いのは自分でなく他者だとする。

 キャリア支援のポイントとして、次の5つが挙げられる。①キャリアデザインとは、職業を通じたライフデザインであること。②キャリアデザインは、成功のための方程式と位置づけるよりも、数多く存在する中の一つと捉えること。③各人の人生の中では、失敗・挫折が当たり前であり、その失敗・挫折を乗り越えるためにどうしたら良いかを考えること。④社会における成功者だけをゲスト講義に呼ぶようでは現実社会の実相を捉えていないこと。⑤混迷、激動の日本社会で何より必要なことは、総合的な個々人の「人間学」を身に付けることである。

 キャリア開発の授業の目的は、究極では自律・自立を促すことにある。そこでは、双方向性や書く・話す・読む・見る・聞くトレーニングを徹底して行っている。

 若年者に留まらず、現代の社会人に共通する問題と思われ部分もあり、若年者の就職支援活動に参考となる点が多い講演と感じられた。
2008.12.03:dai:コメント(0):[学習]

メディアと脳

  • メディアと脳
 先日、森 昭雄(日本大学文理学部 教授)の「メディアと脳」と言う講演を聴きましたので報告します。

 長時間のコンピュータゲーム、パソコンやケータイの使用は、創造性、理性、自己抑制に関与している前頭前野の機能低下を引き起こしている可能性が考えられている。実際にコンピュータゲーム中は前頭前野の血流低下が起こっており、これが長時間になれば脳細胞への酸素供給や栄養供給の低下は否めない。

 前頭前野の障害は、認知機能や情動機能に影響すると考えられている。ヒトの前頭連合野損傷による影響は人格を大きく豹変させ、「人格障害」という状態を引き起こしてしまう。前頭前野の血流阻害(細胞萎縮)は無表情にも繋がる。

 コンピュータゲーム中には、右前頭前野のβ波が低下してしまう。毎日のように数年間経験することで、コンピュータゲームをしていない状態でもβ波が低下した状態になり、ゲーム脳に移行してしまう。

 前頭前野の障害を起こさないために、ゲームは15~30分/時間、パソコンは30~40分、休憩15~20分が望ましい。

 IT企業に勤める身としては、これらのデータを真摯に受けとめ、社会に受入れられる普及・展開をしなければならないと思う。
2007.12.10:dai:コメント(0):[学習]

キレる脳 引きこもる脳

 先日、有田秀穂(東邦大学医学部統合生理学 教授)の「キレる脳 引きこもる脳」と言う講演を聴きましたので報告します。

 私たちは、日々の生活の中で、自分の思い通りにならない状況に直面し、その度に柔軟に方向性や発想を切り換えて現実的に対応して生きている。これが出来ないと、キレる、あるいは衝動的な攻撃行動が発現することになる。私たちの脳には、衝動的な攻撃行動を調節する機能が備わっていて、この機能が十分に発揮できなくなると、キレやすくなると考えられる。その働きを担当する脳領域は前頭前野の腹外側部である。

前頭前野の腹外側部にはさまざまな脳領域から入力があるが、重要なのはセロトニン神経からのもので、セロトニン神経の機能障害が前頭前野・腹外側部の働きを弱め、キレやすくする。セロトニン神経の機能障害は、うつ病やパニック症候群、子どもでは自閉症との関連がよく知られている。セロトニン神経の働きを補強する薬であるSSRIは、うつ病の治療薬として最近よく使われる。うつ病で問題となる自殺は、自己に向けられた衝動的な攻撃行動に対して、歯止めが効かなくなったものと考えられる。

セロトニン神経の働きが弱るのは、現代の生活習慣に原因があり、これがキレる状態を作り出している可能性がある。現代生活の中でも、ゲーム(パソコン?)漬け、昼夜逆転の生活が、セロトニン神経の正常な働きを弱め、キレる子どもや大人を作り出している。最悪の生活は、ひきこもりである。セロトニン神経は、夜、寝ているときは、ほとんど活動がなく、朝、起きると、活動が始まり、起きて生活している間は、ズーと活動が続く。従って、覚醒の状態を調整する働きを担っている。

セロトニン神経が情報を送っている領域は広範な脳領域で、大脳皮質では覚醒レベルの調節、大脳辺縁系では心のバランス、間脳・視床下部では自律神経の調節、脳幹・脊髄では痛みの調節と姿勢筋・抗重力筋の緊張である。すなわち、セロトニン神経の働きが弱ると、朝起きても、スッキリした覚醒が得られず、自律神経もスタンバイ状態にならず、身体に力なく弱々しく、ちょっとした痛みに大騒ぎすることになる。

セロトニン神経の活性化因子は二つある。一つは太陽の光であり、もう一つは、歩行、咀嚼、呼吸などのリズム運動である。したがって、朝起きたら、朝日を浴びながらウォーキングをすれば、セロトニン神経は活性化される。

セロトニン神経を積極的に抑制する因子も二つあり、疲労とストレスである。生きている限り、ストレスも疲労も避けて通ることはできない。それに打ち勝つには、日常的にセロトニン神経を活性化する生活を続けるしかない。

現代人はセロトニン神経を知らず知らずのうちに弱らせてきている。キレ易くなるのは、現代の生活習慣病なのである。

2500年前、釈迦は荒業(=ストレス実験)を行って、入息出息法をあみだした。意識的なリズム運動には、座禅・読経・ウォーキング(速足)・チューインガムを噛む・フラダンス・歌唱・スクワット・自転車・水泳などがある。

所感として、現代人にうつ病が増えている理由として、セロトニン神経が弱まっていることにあることが理解できた。既に実践している人は多いが、朝起きたら朝日を浴びながらウォーキングする効用を認識した。
2007.12.05:dai:コメント(0):[学習]