「父性の崩壊」

以前は家というものが大きい意味での母になっていた。それを支えるために父権があった。
ところが父権の方は壊れたので、母性の方が前面に出てきた。日本の昔のしつけは母性原理ができるようにしつけた。

つまり、自分の好きなことをやれ、というのではなく、やりたいことは辛抱して皆と同じようにしなさい、と。
だから他人に対する配慮をどうするかを優先した。そのしつけは、おやじは非常に厳しかった。

おやじが厳しのは父性的だが、その背後に動いている原理が母性的であった。
ところが今、日本の母性原理そのものがゆらいでいるから、子供たちは一体どちらの原理でとうしたらいいか分からなくなっている。

父親は自分の存在、自分なりの掟を体現して生きているということが一番大切だと思う。
あとは遊んでいようが、子供を放っておこうが、子供は分かる。そういう点はもっと子供を信頼していいと思う。

(人生学ことはじめより)

2006.11.27:反田快舟:[自分を見つめる]