一番の魅力は、何といっても、5年、10年、ときには20年という時間をかけてつくり上げていく、熟成のうまさですね。
それはもう、人知の及ぶ世界を超えたところにあって、時間と貯蔵環境がもたらした偶然の産物です。
熟成について、今の科学で説明できることは、ほんの一部です。
熟成の過程は科学として説明できるのでしょうが、そこで実感できる満足感や質感はいくらも説明できません
ウイスキーは「樽の中で眠っている」のではなく「育っている」のだと思います。
われわれブレンダーの仕事は、その育ち具合を見守ることです。
By輿水精一
(プロフェッショナル仕事の流儀11 File NO.32より)