いい出会い方をしているか
映画のために街をつくる男、 種田陽平 。 スクリーンの中に幻の街を出現させるのが、美術監督・種田の仕事である。 仕事では、自分が普段考えないことを考えなければならないという。 例えば、北海道で葬式のセットをつくるには、北海道の葬式の習慣を考え、調べてみる。 そうするとある種のデザインが存在する。 「それをやっていると、自分の中で開かなかったデザインの扉が開いていくんです」 自分の目標や夢を達成するには、「努力」や「才能」が必要だ。 種田は、「僕らの場合は、共同で作業することが多いので、いい出会いをするということですね。そしてそこでうまく運をつかめるかどうか」という。 芥川龍之介は、「人間は、遺伝、環境、偶然、意思の産物」だといった。 遺伝と偶然はコントロールできないかもしれないが、こうなりたいという強い意思によって偶然を必然にできるのかもしれない。
2009.07.27