奇跡のりんごづくり
りんご生産量日本一の、青森県弘前市。 朝五時半、木村さんの一日は、いつも一杯のコーヒーから始まる。 コーヒーを飲みながら、天気予報をチェックし、軽トラックで岩木山の麓にあるりんご畑に向かう。 畑に来るとまず、木に声をかけて回る。 「よく頑張ったよ」「ありがたい」 そう呟きながら、そっと木に手を当てる。 りんごは、病気や害虫にきわめて弱く、農薬を使わない栽培は不可能だといわれてきた。 しかし、木村さんは、化学薬品を一切使わず、たわわにりんごを実らせる。 木村さんのりんごづくりは、一つの信念に貫かれている。 「育てない」 私は、栽培ということではなくて、ただ、りんごが育ちやすい環境づくりのお手伝いをしているだけです。 (プロフェッショナル仕事の流儀12 File No.35より)
2008.12.28