「あがる」心理
「あがる」というのは、通常の意識状態と異なる意識の状態である。 だから、思いがけない失敗をしたり、平素の力が出なかったりする。 そこで、「あがる」のを防ごうということになるのだが、はたして、あがらないことはいいことなのだろうか。 そもそも舞台に立ったり、講演するということ自体「普通」でないことをしている。 それを観る観客、聴く聴衆にしても「普通」ではないのではなかろうか。 「あがる」とはその表現どおり、意識が高揚し、普通でない状態になっているのだ。 「あがる」からこそ、名演技や名演奏ができたりする。そして観客も感動する。 「あがりすぎないあがり方」、あるいは、どんなに「あがる」ことがあっても失敗しない人、それができる人がプロではなかろうか。 どれほどあがっても失敗しない、というのは十分な練習によって支えられている。 (ココロの止まり木より)
2006.10.26