火起しでっぽ 〜キャリアネットワーク〜

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キャリアネットワークの新人カウンセラー、高貝です。

さる7月21日(日)に、仙台の戦災復興記念館にて、洗足ストレスコーピング・サポートオフィス代表の伊藤 絵美先生をお招きし、認知行動療法(CBT)初級ワークショップが開催されました。

良く耳にする「認知行動療法」については殆ど無知な私にとって、非常に有り難い機会であり、楽しみにしておりました。

今回は20数名の方が参加されたのですが、同様な思いで参加された方も多かったようです。

そして、のっけから結論を書いてしまいますが...

近年、こんなにも分かり易く、タメになり、日常生活にも役立つと感じられるワークショップは無かったと思いました。

そして伊藤先生のお話が興味深くてどんどん引き込まれていくので、眠くなるはずもありません(笑)。


例えば伊藤先生が、バンジージャンプを何度か経験されているという話があり、しかも世界一の高度からのジャンプ(マカオにあるそうです)を経験されているというのは大変な驚きでしたが、それも療法研究の一環なのだそうです。


以下、大まかにワークショップの内容を順を追って報告したいと思います。

初めに、伊藤先生から、「要は、ストレスを上手に付き合う術を身につけること、なんですよ。」とお聞きし、少し肩の力が抜けました。

「認知行動療法」という言葉の語感から、勝手に難解なものだと思い込んでいたようです。

まずは重要な基礎知識として、心理学的ストレスモデルと、コーピング(対処)について学びました。

まともな社会生活を送っている以上、誰しもストレスを感じる場面はあるわけで、誰もがそこで対処=コーピングも行っているわけです。


コーピングには2種類があって、

1)認知的コーピング。例えば、仕事中にしんどいなあと思ってストレスを感じている時に、「家に帰ったらビールを飲もう」と考える。といった感じです。

2)行動的コーピング。例えば、上司にお説教されて落ち込んでいる時に、家族に愚痴を言って気持ちを発散する。といった感じ。

上記のコーピング例は先生が提示して下さったのですが、「あれ、まさに自分達がやっていることなのでは?」と思いました。

そう、誰もがやっていることなんです。

じゃあ何が問題かというと、コーピングのレパートリーが少ないことなんだそうです。

例えば覚醒剤の常習者は、コーピングの方法が覚醒剤しか無いと思い込んでいる。だから、他のコーピングの方法を持たせるようにすると、改善していくケースが多いそうです。

そこで、参加者全員で、自分のコーピングのレパートリーを書き出し、その後各自が代表的なものを発表するというワークを行いました。ノルマは10分間で30個! そして最終的には100個は用意することを先生は勧めておられました。

そんなに用意出来るのかなと思いましたが、皆さんの発表を聞いていると視野が広がって、何とかなりそうだと感じました。

例えば、朝の連ドラ「あまちゃん」を観て元気になる、なんてのもありましたが、まさにウチのヨメさんがやってることでしたね。

後は、それを意識的にコーピングとして利用すればOK!

それだけで既に、立派な「認知行動療法」である!とのことでした。

但し!それ以前にストレスに気づくこと(モニター)が必要ですが。


以上の内容だけでもかなり有益な学びだったのですが、その後、本格的に認知行動療法の解説に入って行きました。

詳細は書き切れないので省きますが、1950年代に発展したウォルピなどの行動療法と、1960年代に始まったアーロン・ベックの認知療法が合わさり、1990年代に統合されて「認知行動療法」としてその名が知られるようになったとのことです。

大きな特徴として実証性を非常に重視しており、うつ病や発達障害、生活習慣病、禁煙、犯罪者の再犯予防等に対する効果が実証されたことで、その地位が確立され、幅広い分野で活用されるようになっています。

理論的にもしっかりと構築されている療法になるわけですが、基本的にやることは、さっき出来てきた認知と行動のコーピングを工夫し、より上手に・意識的にストレスに対処する術を身につける、とのことでした。

その後、ストレスにうまく対処できず悪循環に陥っている状況を客観的に認識出来る様にするための「アセスメント・シート」を記入し、ペアで共有するといったワークも行いましたが、非常に効果的でしたね。自分はナゼ、懲りずに二日酔いになるのかが見えたような気がします(汗)。

更なる詳細に興味を持たれた方は、ぜひ、伊藤先生の著書:「認知療法・認知行動療法カウンセリング」星和書店刊)等で学んで頂ければと思います。

我々キャリアネットワークも、上記の本を利用して、月1回の勉強会で、継続的に認知行動療法を学んでいく予定でおります。

なんといっても、認知的コーピングは、「無料」です。

イメージや考える内容を、ちょっと工夫して変えてみるだけでも出来るわけですから。「しょぼ〜いコーピングこそ、いいんです。」と、先生もおっしゃっておられました。


私も「しょぼ〜いコーピング」の達人を目指したいと思います。
2013.07.24:ムーミンパパ:count(1,421):[メモ/でっぽ活動記録]
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