火起しでっぽ 〜キャリアネットワーク〜

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下記の「盲導犬クイールの一生」とSMAPの「世界の中で一つだけの花」の事例は、私が個別相談や講師としてお話をするとき、「動機、気質、持って生まれたもの」を理解してもらうために話のなかに取り込んで使用しています。

■「盲導犬クイールの一生」

「盲導犬クイールの一生」は本やテレビや映画でご存知のことと思います。
モデルになった犬は、結局は盲導犬になれずリジェクトされたそうです(リジェクト犬)。
盲導犬になれずリジェクトされる理由はたくさんありますが、「動機」に問題があるケースがあります。
ゴールデンリトリバーという犬の種類の「動機」には2種類あるのだそうです。
一つは相手のペースに合わせて歩くのに動機を感じるタイプ、
二つ目は自分のペースで走り廻りたいタイプです、
二つ目のタイプは盲導犬として長く続けることは困難なのだそうです。
自分を偽って働くことになるので、どこかに無理がくるし、なかには燃え尽きてしまう犬もいるらしい。
そうなると犬も人もどちらにとっても不幸なので早めに見つけてリジェクトすることになるのだそうです。 
その犬をリジェクト犬といっていましたが、今はキャリアチェンジ犬というのだそうです。


■「世界の中で一つだけの花」〜 SMAP

「NO1にならなくていい
もともと特別なオンリーワン
花屋の店先に並んでいろんな花を見ていた
人それぞれの好みがある
けれどどれもみんなきれいだね
この中で誰が一番だなんて争うこともしないで
バケツのなかに誇らしげにしゃんと胸をはっている
それなのに僕ら人間はどうしてこうも比べたがる
ひとり一人違うのに
その中で一番になりたがる
そうさ僕らは世界に1つだけの花
ひとり一人違う種をもつ
その花を咲かせることだけに
一生懸命になればいい
小さい花や大きな花
一つとして同じものはないから
NO1にならなくてもいい
もともと特別なオンリーワン」



ということで先日(5/21)の、山形の勉強会の時も紹介させていただきました。

「盲導犬クイールの一生」の例は高橋俊介著「スローキャリア」の210Pに記載されています。主婦や高齢者が多いときはこの事例を良く使います。犬の世界の話としては興味をもって聞いてくれてそれなりの理解をしてくれているようですが自分の身に置き換えて考えてくれているかどうかは疑問です。

先日の大抜擢さんの高橋俊介さんの講演「スローキャリアのすすめ」のレポートにもありました。
良い仕事人生の条件としては、一つ目は日々の仕事において動機にささえられた能力を多く活用していること(動機活用)。

また「スローキャリア」の本の中で次のように述べています。(106P 107P)
1・根源的自分らしさへのこだわり
  スローキャリアをめざすならば、根源的な自分らしさへのこだわりがまずポリシーとしてなければならない。自分らしさというのは自分の動機や価値観のことで、動機は大きくは変わらないが、自身の動機を理解するのは簡単ではなく、試行錯誤のプロセスから少しずつ気づいていくものだ。一方価値観は自分自身で意識するものであるので、さまざまな価値観を表す言葉を並べ替えて、自分にとっての優先順位を整理してみるとわかりやすい。そして、プロセスへのこだわりと目的合理性とのバランスをとり、なおかつ自己主張しながら仕事での成果をめざすのが重要だ。上昇志向や達成志向が中心にないからといって、仕事の成果を無視しているわけではないのだ。

2・変化への柔軟な対応と経験からの学習
  特定の職種や専門性、あるいは興味、関心などの表面的なことにはあまりとらわれず、状況の変化には柔軟に対応し、新しいことにも積極的にチャレンジする。失敗から積極的に学び、過去を否定したり価値観の転換をも恐れない勇気も必要である。柔軟性とは一見すると、自分らしさにこだわることと矛盾するように見えるかもしれないが、こだわらなければならないのは自己の根源的な部分であって、逆に表面的な自分らしさにはあまりこだわる必要はないのである。
  ちなみに動機というのは非常に変わりにくいものだが、価値観というのはなにかのきっかけや経験によってかわる可能性はある。

スローキャリアを前提にして述べているので少し膨れて記述されていますが「動機」が根源的なものとして位置付けられているのは理解していただけると思います。
キャリア開発というものに初めて接する方々に、突然に「動機」や「価値観」などを話してみても理解してもらうことは非常に難しいのではないかと実感しています。
だいたい、自分の「動機」や「価値観」について探求し、見つけているカウンセラーは少ないのではないでしょうか。
まずカウンセラー自らの「動機・価値観探し」と、「自己規定」が必要ではないでしょうか。
私は、自分も良くわかっていないが、「動機・価値観探し」と、「自己規定」することの必要性に気づいて取り組んでいるということを正直に話して理解と納得を得るように努めています。死ぬまで「自分探し」は継続されるとも話しています(生涯自分探し)。

「世界の中で一つだけの花」は、一昨年の暮れ、紅白歌合戦を小学一年生の孫と寝ながら見ているとき、孫が歌いだしました。それを聞いているとき「あれ!自分が講義のとき話していることと同じことをいっているなー」と思いました。

それいらいこの歌詞を「持て生まれたもの」について話すときに引用させてもらっております。若い求職活動者には受け入れてもらっているような気がしますが本当はどうでしょう。

歌詞のなかの「ひとり一人違う種をもつ」というところにスポットをあてて話しております。
あなたの種はどういう種でしょうか? 自分の種について考えてみたことがありますか?

種探しは難しいことですが、これからの時代を生き抜いていくためには必要なんだよね。

どんぐりの実はなんと言う木になるの? 樫の木か! クリになるんじゃないんだ!

どんぐりの実が樫の大木なれるように、周りの人も草を刈ったり、日当たりよくしたり
肥やしをやってりしてやることが必要だけれども、一番大事なことは、どんぐり自身が
樫の木になれることに気づいて、樫の木になる努力をしていくことだよね・・・

というように語りかけていますが、納得して理解してくれているかは自信がないですね

我々の世代は学校の成績や、入れる学校の格、入る会社が大きいか、名前が通っているか等が自分にあてるスポットであり、自分の内なる声に耳を傾けるということはほとんどありませんでした。それらは他人からどう見られるかという物差しでした。
残された時間が少なくなってきているだけに、自分の種探しに真剣になって取り組んでみたいと思っております。

by 長朗

2005.06.07::count(1,443):[メモ/わたしの意見]
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