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▼『いのちのリレー』

今日読み終わった『いのちのリレー』という本を紹介します。。
これは、末期がんで余命わずかと宣告されながらも教壇に立ち、子供達に「いのちの意味」を問いかけ続けながら逝った校長先生の“生きた証”を綴ったノンフィクションです。中を全部紹介したいような内容ですが、子育てに絡み、この大瀬校長先生が今の若者に対する学校のあり方や学校づくりを述べているところを紹介したいと思います。(長くなりますがいいですか?)
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 今、若者の間で“学びからの逃亡”が起きています。私たちの時代は、今日よりも明日が良くなった時代でした。親は子供が自分の学歴を越えれば良い暮らしができると思っていた。でも、今はたとえ大学を出たとしても就職が難しい。子供は、「勉強しても何にもならない」と無意識のうちに敏感に感じとっています。だから学校からの逃亡がおきる。でも、「学び」と「勉強」は違うんですよ。生きていくために必要なのは「学び」です。学びは友達に出会い、教材の世界に出会い、立ち返って自分に出会うこと。
 そして、自分自身が変わったと気づくことが学んだ証です。学びは人や教材や対象がないと成立しません。勉強は家でも塾でも一人でできますが、学びは一人じゃできない。
 その学びの場が学校です。友達や教師との出会いと対話の場。そこから若者が逃亡してしまっている。でも、世の中には学ぶに値することがたくさんある。そして、学びは楽しいんですよ。それに気づかせるにはやっぱり学校です。若者は学びを求めているし、チャンスが用意されていればちゃんと応える。その機会を社会が奪っているような気がするのです。

 どんな学校づくりが大切ですか?
   
 「明るく元気」を標榜しないこと。学校はある意味、「明るく元気」の象徴ですが、今それに耐えられる子供はほとんどいない。子供は弱くて当たり前なんです。
 「強くたくましく」という健康に立脚した強さを求める学校がいろんな病理現象を生んできた。
 いじめもその一つです。強くなれ、乗り越えろとね。そこを一度見直して、「明るく元気じゃなくてもいいよ。弱くてもいいんだよ。」と認めてあげることが大切です。自己主張の強い子供や授業中に立ち歩く子供はバリアを張っている。安心して教室にいられないからです。学校がその最たるものになってしまっている。不信と不安が渦巻いている教室ではなく、自分が人から承認されているという安心と確信に満ちた教室が求められています。うなずきとほほ笑みがある教室にしたい。
 一方教師も無力さを自覚し、子供に学ばなければならない。弱さを自覚した子供達と無力さを自覚した教師とが、ケアと癒しを含み込んだ営みを応答的に行うところが学校なのです。
 そんな学びの場としての学校を作っていきたいですね。
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 長くなりましたが、レポートを読ませてもらったり、本を読んでいろいろ考えさせられ、カウンセラーとしても大切なことだと感じました。

著者:川久保 美紀
出版:ポプラ社 (2005-07-11出版)
定価:1,470(税込)

by Yリーグ
画像 ( )
2005.11.13

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