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▼鈴木晃之助氏の『少子化社会の子育て』を聴いて

 家庭教育出前講座「少子化社会の子育て」―現代っ子につけておきたい力とはー鈴木晃之助氏(庄内家庭教育専門員)と言う講演を聴いて来ましたので報告します。

 父母の会に出席すると、年々親たちの不安が深刻になっていることが分かる。わが子が何を考えているか分からない不安である。昔から「子育て下手を詫びる親には、得てして育ち上手の子供が授かるもの」と言われる。一番大切な「我慢」や「頑張り」を教えるにしても、小学3・4年までは言葉で通じるが、5・6年以上は親の謙虚さが大切である。「子供はどんな子も与えられた天性がある。早いか遅いか時期の違いによるだけである。」子供たちを信じてあげない限り、子も親を尊敬しない。そこでは「待つこと」「信じること」が求められる。

 現代っ子につけておきたい力として下記の五つがある。
@どの子ともいっしょに遊べる力………子供同士の人間関係が苦手である。友達付合い上手な子は不登校が少なく、友達付合い下手な子は95%が不登校と言うデータがある。1歳ころから、母親同士、家族同士の付き合いが大切。父親に叱られても、くじけない強い子、すぐ逃げない子を育てたい。
A毎日、きまったお手伝いの習慣をもっている………日本の家族はガランドウになっている。茶の間の消滅で、現代の子供は下宿人と同じ状況にある。子供に家事を分担させることである。
B本好きなこと………本の読み聞かせが大切。強く本を与えるより、本を待たせること。学力とは文章力で本の効用は大きい。
C「ありがとう」が自然に口に出ること………イジメは「ありがとう」と言い合う所には無い。不登校の子は、何かをさせようと強制した場合に生じる。
D小学校に入ったら、短時間の学習習慣をつけること………終わったら見てやる。そこでは間違いより15分間の学習時間を評価する。

 家庭は子供にとっての安全基地。子供が家族に何でも話せるように、父母は子供時代のことを(特に失敗談)子供に話し、自己開示してあげたいものである。

by 大抜擢

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大抜擢さんのレポートを拝見しての感想です。

「現代っ子につけておきたい力として下記の五つ」なんていうのは、我々の世代ではごく常識というより、空気と同じで当たり前の世界だったのにと、古い世代の嘆きを思わず口にしそうです。
 孫がロンドンから帰ってきて、改めて小学校1年に編入して娘の口からロンドンとの比較で学校教育に愚痴が聞かれるようになりました。ロンドン時代、日本に帰ると「出羽の守」(すぐロンドンではと比較論を言い出すようになること)になって、周囲から嫌われるといっておりましたが、彼女も出羽の守になったようです。

彼女の愚痴の例
1、学校で宿題が無いこと、または少ないこと(ロンドンでは必ずreadingの他、算数や英語の書き取りの宿題がかなりの量あった)。先生に宿題を与えるようにというと、やってこない子もいて不平等になるという返事で驚いたという。結局塾通いにするしかないのはおかしいという娘の意見。
2、「有難う」ガいえない。ロンドンではどんな小さい子でも、何かしてあげれば必ず有難うというが、日本では絶対といっていいほど出てこない。また、親がありがとうを言うように躾けている。これが不思議だといっていた。彼女の学校だけかもしれませんが。
3、学校の手伝いに親が参加しない。たとえば、竹馬を子供たちにやらせるので、可能な親は手伝いに来て欲しいという連絡があって、友達を誘って出かけたが、来たのは娘達の二人だけだった。先生も来たことに驚いていたということに驚いたという。
ロンドンでは半数近い親が来ているという(親は女性とは限らない)。こどもが学校でどう生活しているかということを観察するのに格好の機会なのにという娘の意見に小生も同意します。etc

学校問題が、地方分権問題と絡んで話題になっています。が、ニート問題対策には、根本はこの学校教育のゆがみ(誤った価値観?)の是正にあるという、「希望格差社会」の著者の指摘は正しい気がいたします。

by 鑑査役
2005.11.10

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