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▼くらたまなぶ氏の「カラダ発想術 〜やわらか右脳マーケティング」と言う講演を聴いて

 講師の くらたまなぶ氏(株式会社あそぶとまなぶ 代表取締役)は、リクルート社で「とらばーゆ」「ベルーフ」「フロムエー」「エイビーロード」「じゅらん」などを創刊し、「カラダ発想術」などの著作でも著名な方である。

 マーケティングの基本的なプロセスは、昨日の数字(実績)⇒気持ちを聴く⇒言葉にする⇒カタチにする⇒明日の数字(予算・計画・目標)につきる。言葉をカタチにすることは、担当分野で違ってくる。

 市場調査は昨日までの行動を数字で知ることで「算数」だが、マーケティングは明日からの気持ちを言葉で知ることで「国語」と言える。市場調査は役職者や男性が得意だが、密室で決めると大失敗する。マーケティングは外に出て他人(ひと)に聴かなきゃだめ。そこでは、夢よりは愚痴が参考になり、「不」のつく日本語が全てであり、「ニーズ」「ウォンツ」より「クレーム」であり、「名詞」より「動詞」が、更に「形容詞」「副詞」が一番良い。「漢字」「カタカナ」より「ひらがな」が良く、ふだんの日常会話がベストである。すなわち、「課題(ぐち)」を言葉にして、「夢」を言葉にする。ヒアリング(愚痴さがし)⇔ブレスト(夢をひろげる)の繰り返し。

 マーケティングで陥いる症例として、ソロバン病やロマン病や企画病やカタカナ病などがあるが、対症療法としては普通に生活しながら「怒る」「笑う」「喜ぶ」「悲しむ」こと、まずは「今、隣りにいる人」から聴き始めること。

 マーケティングは人の気持ちを知ること。「人の気持ち」をどれだけ集められるか。それをどれだけ普通の言葉でまとめられるか。「知ってる人」と「知らない人」では、「知ってる人」から。自分の会社に呼びつけると言う発想は捨てる。「用紙なし・テープなし・謝礼なし・90度の位置・友達感覚・二人きり」がヒアリングの理想。グループ・インタビューだとバリアが取れない。謝礼が多いと、悪いことを言わない。属性(プロフィール)から入り、昨日の体験・明日の気持ちとだんだん中に入り込み、その理由・動機・背景を聴く。ホンネ(不のつく気持ち)を聴きだすのが最終目的。実は本人さえ自分のホンネは分からない場合が多い。「もしかして、私ってそう思ってるのかも知れません」は上手く行ってる兆候。気持ちを知るのが目的。「オヤッ」っと思ったことは臨機応変に質問を変えて行く。マーケティングは、前半「仮説づくり」と後半「深堀り」の二段階ある。

 「夢の共有」「気持ちの分析」「商品への反映」…については頻繁にブレーン・ストーミングを正しく行う。「いいねえ」「なるほど」「へ〜」などは奨励句、「違う」「何考えてんだよ」「アホクサ」などは禁句。

 起業の3条件は、
@世のため、人のためになるか  ロマン    夢   良くしたい
A稼げるか、儲かるか      ソロバン   金   得したい
B楽しいか、面白いか      ジョウダン  愛   面白くしたい
@:A:B=1:8:1のバランスが絶妙。

 起業(事業)とは、「市場の声を聴いて事業を起こす」「起こした事業によって市場が動く」「動いた市場の声を聴いて、さらに事業を変える」こと。

 マーケティングでは人の気持ちを聴くことがとても大切で、その技法はカウンセリングに非常に良く似ていると感じられた。

by 大抜擢
画像 ( )
2005.11.08

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