年だからでなく年がいもなく

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いつものウディアレンの映画とは少し趣が違うような気がする
本人は登場しないし、いつものしゃれて軽快で面白くて意味深いセリフではない
「夢と犯罪」という題字が示すように結構重たくて心理的なセリフが主となっている

2人の兄弟が主役である
2人で金を都合して中古のヨットを買い求める場面から始る
兄は投資家とビジネスの世界で、弟はスポーツ品ショップを開くことを夢見ている
その兄に女優業の恋人ができて背伸びして付き合うためにお金が必要となる
弟は結婚が決まった恋人がいて、新宅を買うためのお金が必要となる
弟はギャンブル好きでポーカーに手をそめて莫大な借金を背負ってしまう

困り果てた2人の前に海外で成功している美容整形外科医の伯父さんが現れる
その伯父さんから金銭的支援を条件として殺人を依頼されてしまう

悩む兄弟であったが、引き受けてしまう
2人は一線を越えて手製のピストルを用いて2人で殺人を犯してしまう
追い詰められたとはいえ簡単に一線を越えてしまって人を殺すという脚本には疑問を感じはするが、2人の葛藤の場面やそれぞれが取る行動については納得しながら観ることができた

金銭を手に入れてうまくいきそうになるが、弟は罪の意識にさいなまれて壊れていってしまう
兄と弟は違ったキャラクターで罪の意識に対する反応も違う
この2人のやり取りや、リアクションがうまくまとめて表現されている
最後は暗い結末である

質のいいセリフと兄弟を演じた俳優の演技力があって、心理的描写がうまく描かれている
当時者になったよう気もちで映画を観ていくことができた

ということでうまくまとめられた映画であるが、いつものウディアレン調とは違う
ドストフスキーの世界やアランドロンの「太陽がいっぱい」を思い浮かべたりした

女房は『「一線を越える」ということがこの映画のキーなのかな?』とつぶやいていたが、そうなのかもしれない

2010.07.07:choro:count(2,287):[メモ/映画]
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いつもと違いましたね
ウディ・アレンの映画を観た後は必ずといっていいほどに、…らしいなぁ、とつぶやきがちですが、今回はひと味違いましたね。
元々ファンでしたが久々にとても好きな作品となりました。
いつものように台詞は多いものの、くどい訳でもなくてキャスティングも良かったですよね。
一線を越えない選択肢を想像してみたり…。ありきたりの人生が実は幸せだったりしますよね。
「太陽がいっぱい」を連想されるとは…なるほど。流石ですね。
2010.07.07:ひだまり:修正削除
お久しぶりです
キャスティング良かったですね
兄はよく見ていますが、弟はなじみがありませんでした
女房と「ジェームスディーンを思い出させてくれるね」と話しましたが、兄より弟の方が印象に残りました

今の体調を維持していければまだまだ映画は観れそうです
今テレビを買い換える前にダビングした映画のビデオを観るのに必死です
2010.07.08:長朗:修正削除
▼コメントはこちら 勉強会でも飲み会でもいいですから、皆さんでお話あいしてみたいですね 面白い意見が出てきそうです

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