年だからでなく年がいもなく

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退院後1ヶ月がたったので,かたい映画を観てみようと思って選んだ映画

パリの20区とは移民の多い地区
そこにある中学校で学ぶモロッコ、中国、アフリカ、中東などからの労働者階級の移民の子供たち24人と男性の国語教師との教室での授業を中心としたドキュメンタリー風の映画

国語教師は人種も違う、フランス語のレベル後も違う、多感な24人の個性的な子供たちに国語とは美しいフランス語としてだけでなく、生きるための言葉を学ぶこととして真剣に取り組む
教師からの何気ないような子供たちとの対話から、子供たちへ他人とのコミュニケーションを学び生き抜く手段を身につけさせようという熱意と真剣さが伝わってくる
日本の国語教師とは大分違う

24人の生徒たちは子供じみた言動や態度ではあるが、率直な言葉で教師と仲間に向き合う
子供たちは授業の中で素直な言葉で語り、弾けるように笑い、激しく怒る
カメラはドキュメント風に子供たち一人ひとりの表情をアップで映し出す
子供たちは演技経験のない素人の中学生だそうであるが、その自然で巧みな演技に驚きである。素晴らしい

ある事件で国語教師と子どもたちは対立してしまう
教師の失敗ともとれる事件の収拾であったが、教師はその失敗を乗り越えて、新たな子供たちとの関係を作ろうと必死で取り組む姿が感動的である
素晴らしい教師である
新たな関係が醸し出される情景描写で映画は終わる

教育の現場にいる教師にとっては考えさせられる映画であろう
教育の現場だけでなく、もっと大きな世界での人と人との関わり方について何かを与えてくれる映画でもある
夫婦のあり方もその一つではないか

2時間という上映時間はほとんどが授業風景であるが、全く退屈しない
教師と子どもたちとの一つひとつの会話や関わり方にドキドキしながら眼を見開いて観ていた
観終わったあと何とも言えない心の充実感を感じた
付き合いで観た女房もいい映画だった、と言ってくれる

第61回カンヌ国際映画祭でパルムドール(最高賞)を受賞した作品である

2010.11.11:choro:count(2,085):[メモ/映画]
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