年だからでなく年がいもなく
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映画「母なる証言」
桜井薬局のセントラルホールというマイナーな映画館で上映されている韓国映画
朝一番の11時開演に出かけたら半分以上のお客さんが入っているのにびっくり
母親と息子の間の愛情を主体とした「母物愛情物語」的な映画かと思っていったが予想と違って骨太の重たい映画であった
母親の動物的ともいえる息子への愛情を軸として人間が抱える業や哀しみのようなものを描き出している
母親の異常なまでの息子への愛情の映像を見ながら「母親とはなにか」「親子の愛情とはなにか」そして「人と人との関係とはなにか」を考えてしまう
国際的評価を得ているポン・ジュノ監督が腰をすえて真正面から捉えている力作である
ある街に知恵遅れで記憶力が劣るが澄んだ瞳と純真な心を持った息子と、漢方薬の店を開いている母子がいる
その町で女子高校生の殺人事件が起きる
状況証拠から純真な息子が逮捕される
母親はその息子を助けようとしてたった一人で行動を開始する
子共の無実を信じる母親の無償の愛が、事件の真相を死に物狂いで探りだす
その間にいろいろな事件に遭遇していく
母親の狂気に近い愛情がさまざまな人間ドラマを引き起こす
人間が抱えているエロスや暴力、それに老人問題や汚れた権力などが描かれる
殺された少女は認知症のおばあさんと二人暮らし
おばあさんを養うために援助交際をしている
それに携帯電話がからみ携帯がこの映画の大きな鍵となる
息子の友達は町のチンピラで暴力も使いながらのゆすりたかりの常習犯
取調べの警察のいい加減さ、依頼した弁護士の汚さ
ショッキングな殺しの場面などもありミステリアスでもあるが人と向き合って描かれているのでヒューマンミステリーとなっている
観客は最後まで引きずられながら観る
最初の出だしの枯れた草原で母親が一人舞うシーンは強烈で印象に残る
それがラストシーンにもつながりこの作品を象徴する場面となっている
最後の30分の場面は圧巻である
「韓国の母」といわれる母親役のキム・ヘジャと息子役の韓国4天王の一人といわれる ウォンピンが素晴らしい
カンヌ国際映画祭で絶賛され、韓国では公開10日間で200万人を超える動因実績をもっている映画である
2009.12.19:
choro
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