年だからでなく年がいもなく

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必ず観ると決めていた映画
現実にあった事件を基に、高校生たちが集団狂気にのめり込んでいった5日間の心理事件を描いたドイツ映画

実際にあった事件とは、調べてみると、1967年、カリフォルニヤの高校のカリキュラムで特別授業週間で行われた「ナチスの独裁政治を繰り返さないため、実際の独裁政治を行ってみる」という実験

実験は独裁者を選び(先生が選ばれた)その独裁者を○○様と呼ばせ、制服やロゴ、そして挨拶の動作まで決めて集団で行う

その集団は「ウェイブ」と名付けられ、あっという間に学校全体に広まってしまい、実験を始めた教師すらも制御できないような状態にまでなる

授業の始めには「独裁」など成立するはずがないと批判的発言していた生徒たちが、授業を受けるにつれて独裁の色に染められていく様を迫真の演技でせまり恐ろしさを感じさせる
最後は洗脳されてしまった一人の生徒が所持していたピストルで他の生徒に発砲し、自分の口になかに弾丸を打ち込んで自殺してしまう

ドイツでは2008年に240万の観客を動員し興行成績1位になった
ナチスという忌まわしい記憶が残っており、ネオナチなどの動きがあるからだろう

しかしこの映画単に“独裁”警鐘ものでなく、教える教師のコンプレックス、男女の恋愛、家族のあり方、移民問題などが網羅されていて濃い中身になっている


この映画を観ていて、人間は弱い存在だということを再認識させられる
恐ろしさも感じる

この指導者(独裁者)についていけば何も考えなくていい、心配しなくいい、大丈夫だというような病的な信頼感が醸成されていく様子が描かれる

何かにすがりつきたい、何かを頼りにしたい
不安が大きければ大きいほど拠り所を求める気持ちも強くなる
特定組織の属する特別意識や高揚感は不安を解消してくれそうである

カリフォルニヤの高校の授業やこの映画だけの問題ではない
自分が抱えている課題であり、身の回りに潜んでいる課題でもある

某宗教団体の事件を思い起こすし、制服ブーム、日本代表ブームなどもその危険性をはらんではいないだろうか

洗脳されて日に日に集団的行動に追い込まれていく生徒のなかで、違和感と危険性を感じて立ち上がる女性徒の姿が好印象である
その女性徒の姿で救いを与えてもらった気がする




2009.12.11:choro:count(4,993):[メモ/映画]
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