年だからでなく年がいもなく

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日航がモデルと言われ、200万部売れた山崎豊子原作の映画化である

御巣鷹山の大惨事をもたらした企業の体質の究明がメインとして描かれるかと期待して観たが、期待はずれで終わった

組合活動にまともに取り組みすぎて左遷され続ける主人公を英雄仕立てにし、それと組合分断を条件にしてエリートコースを歩む悪しき役員を対比させながらストーリーが展開されていく

社内の醜い出世争いや権力闘争、御用組合的な組合の成立と組合間の対立に、金と利権がらみの汚れた政治の世界も絡んできて分かりやすい構図になっている

最後にこのドラマはフィクションであると紹介はされるが、登場人物も本名を連想させるような名前で登場してくる

観客は映画の国民航空が日航であると思い込んで観てしまう
この映画の観客は今日の日航の経営問題とこの映画の国民航空の体質とを同一視してみてしまうかもしれない

週刊誌に連載中にも日航からの抗議活動があったが、その後の裁判などでは日航の組合対策活動の行き過ぎも明らかになっている
この映画の会社側の組合と組合の委員長に対する態度も当時の日航内で実際に行われていたのかもしれない

この映画に描かれているような事が日航内部でどれくらい行われていたのかはわからないが、今も経営問題で世間を騒がせているところをみると、ずいぶんといいかげんな経営をやってきたのではないかと思ってしまう

途中10分間の休憩を挟んでの3時間余の上映であるが、分かりやすく義憤を感じさせられたりして退屈はしない

20億円をかけ、渡部 謙はじめ多くのトップクラスの俳優を登場させての映画であるが、その割にはテレビ的な映画になってしまっているのが残念である

6年前に行ったことのあるケニヤのナイロビの街や、大スラム街のキベラ、マサイ族、サファリなどの情景が映し出される

サバンナの日没時の大きな太陽を思い出した

2009.11.25:choro:count(1,519):[メモ/映画]
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